女子学生連係プレーで強盗説得、冷静な対処が実り無事に危機脱出。

2013/06/17 06:37 Written by Narinari.com編集部

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目の前に突然強盗が現れたとしたら、あなたならどうするだろう。身の安全を考えれば、強盗に金品を手渡してすぐにその場から立ち去ってもらうのが得策だが、中国のある女子学生は機転を利かせて強盗と“対話”を試みた。最終的に被害を最小限にとどめるとともに、強盗逮捕にも一役買ったというのだから度胸満点だ。

中国紙現代快報などによると、この一件は5月24日午前0時ごろに起きた。江蘇省常州市新北区のとある専門学校女子寮の窓から強盗が侵入。暗闇の中、室内を物色し始めた。

当時、室内の女子学生は皆眠りについていたが、女子学生の陳さんは物音に気付き、目が覚めたという。寝ぼけていて事情を把握できていない陳さんは思わず「何の音?」と口に出してしまった。

強盗はすぐに彼女の存在に気付き、懐中電灯を顔に照らして「動くな」と警告。かけていた布団ははがされ、陳さんに不安と緊張が走った。

強盗はそのまま陳さんに金とケータイを要求。彼女は恐る恐る「刃物を持っていますか?」と尋ねると、強盗は「刃物を持っているだけでなく、麻薬も吸っている。殺すぞ」とたたみかけてきた。

そのときだ。近くで寝ていた別の学生、楊さんが目を覚ました。強盗はすぐに楊さんのもとに歩み寄り、やはり金とケータイを要求。しかし、楊さんは「ケータイは学校で禁じられているんです。持っていません」とウソをついた。

続いて目を覚ましたのは李さん。李さんもすぐに室内の異変に気付き、「何とかしないと」とトイレに行くフリをして階下の警備員に助けを求めに行こうとしたが、これは強盗に見破られてしまう。再び室内に引き戻され、“万事休す”となってしまった。

その頃にはほかの女子学生も目覚めており、動向を静かに見守っていたが、室内にこれといった金品がないことを知った強盗はうろたえ始め、その場から立ち去ろうとする。しかし窓を開けると、下には警備員の姿。「今すぐには脱出できない」と判断し、しばらく室内にとどまることにした。

こうして徐々に強盗と女子学生の形勢が逆転。しかし、「持っていない」とウソをついたケータイで通報でもしようものなら、逆上した強盗に殺されかねない。そこで、強盗の話に耳を傾けることにし、打開策を見出すことにした。

すると、強盗はやりきれなくなったのか、突然泣き始める。話を聞けば、失恋が犯行の動機になっているらしい。元カノはこの室内にいるひとりの女子学生ということだった。

そうこうしている内に麻薬の影響なのか、強盗はひきつけを引き起こし、その場に倒れ込んでしまう。楊さんはひとりベッドから這い出て強盗の状態を確認するとともに、「今がチャンス」とばかりに警察に通報しようとするが、それはあえなく失敗。強盗はすぐに目覚めてしまったからだ。

目覚めた強盗は以前にも増して情緒不安定になっており、室内に緊張が走ったが、楊さんはひるまない。強盗を落ち着かせようと慰めるとともに、「飲めば少しは気分がラクになりますよ」と牛乳を手渡した。これは念のため、強盗の指紋を残しておくため。また、ケータイのカメラでこっそり強盗の姿を収めることにも成功した。

徐々に落ち着きを取り戻した強盗を前に、引き続き女子学生たちは対話を試みる。それは窓の外が白み始める午前4時ごろまで続いたそうだが、会話で憂さ晴らしできたのか、強盗は60元(約990円)入りの財布だけを手に、その場から立ち去って行った。

強盗がいなくなると、楊さんは扉のカギを締めてクラス担任に電話。警察に通報してもらい、強盗はあっけなく逮捕されることになった。

警察は女子学生たちの機転を利かせた対応に感謝するとともに、市民には「犯罪に巻き込まれた際は冷静さを保ち、危機に直面しても恐れず、時期を見計らって警察や友人らの助けを求めることが重要だ」と説いたという。

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