“王家衛好き”真木よう子緊張、最新作「グランド・マスター」を絶賛。

2013/05/31 03:36 Written by Narinari.com編集部

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ブルース・リー唯一の師、伝説のグランド・マスター葉問(イップ・マン)を描く「グランド・マスター」のジャパン・プレミアが5月30日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭等の審査委員長を歴任するなど、圧倒的な映像美とドラマチックなストーリーテリングで世界を魅了する名匠ウォン・カーウァイ監督と、この映画で“グランド・マスター(宗師)”を演じるため、47歳でカンフーに初挑戦、4年にわたる過酷なトレーニングを積み、専門家も絶賛する武術を披露したトニー・レオンが来日を果たし、舞台挨拶に臨んだ。

拍手喝采の中、客席を通って現れた2人はファンから握手やサインを求められ、揉みくちゃになりながら交流を楽しみ舞台に登壇。「レッドクリフ PartII」(2009)以来4年ぶりの来日となったトニー・レオンは「約10年経ってウォン・カーウァイ監督と一緒に仕事ができ、ここに来られて嬉しいです。みなさんに気に入ってもらえると良いのですが」と来日の喜びを語った。

構想17年、準備期間8年、撮影に3年という長い年月をかけて完成された本作を製作しようとしたきっかけについて、カーウァイ監督は「刺激的でスリルがある素晴らしい武術映画を見せたかったんです。イップ・マンは普通の武人ではなく、文人の気質を持っていて、起伏の激しい人生を歩みました。もとはお金持ちでしたが晩年はすべてを失います。しかし、彼は最後まで自分を奮い立たせて生き様を貫き、グランド・マスターとなった人物ですので映画のテーマに値すると思いました」と語る。

そのイップ・マンに抜擢されたトニー・レオンとは、本作が7度目のタッグ。アクション俳優ではない彼を起用した理由は「文人の気質は、目が優しく学者の気質を持っている。そしてロマンチストであること。最良の選択だったと思います。彼はとても武芸の才能があります。初めての武術訓練で素晴らしい腕を見せてくれました」と、イップ・マンはトニー・レオンにしかできない役だったと感じているそうだ。

それに対して、トニー・レオンは「嬉しいですね。ブルース・リーを見て育ちました。その師匠の役ができることは本当に嬉しいです」と優しい笑顔をふりまきながらコメント。また、4年にわたる過酷なトレーニングについては、「トレーニングを始めてある程度できるようになってから、骨折をしました。療養のため半年休むと、またゼロからスタートになるから大変です。そしてクランクイン初日に2度目の骨折をしました。完成して達成感でいっぱいです」と壮絶なエピソードを明かした。

今回、“ウォン・カーウァイ好き”との理由から、先のカンヌ国際映画祭で出演作「そして父になる」が審査員賞を受賞した女優の真木よう子が、日本公開を祝福して花束を持って登場。真木は「細部にこだわる映像がすごくて感動しました。『受け継がれるのは技よりも心』という言葉は映画全体が語っているもので心に響きました」と緊張気味に本作を絶賛。その言葉に監督は「優秀な女優が心に染み入ったことは嬉しい」と笑顔で応えた。

そして真木が「カンフーやってみたい」と言うと、「すごく大変ですよ」と答えるトニー・レオンに、監督は「トニーさんはいいコーチですよ。特に女性に教えるのは得意です」と笑いを誘った。

さらに、この作品のイメージソング「After The Storm feat.シェネル」を歌うAIとシェネルが登壇。同曲をパワフルに歌い上げ、「感動しました。イントロを聞いて雨のシーンを思い出しました。デュエットもいいですね。人は一人では生きていけない、誰かと支えて生きていかなければいけないという本作のテーマとリンクしてよかったです」と、息のあった2人の姿を見て、監督もご満悦な様子だ。

最後に、「映画を気に入っていただけることを祈っています」(トニー)、「カンフー映画を好きな人はぜひ見て欲しい。もしカンフー映画を初めて本作を見るのであれば、素晴らしい始まりになると思います。本作は2人の武術家の人生、グランド・マスタになる姿を描いています。観た後、中国武術と中国人に対して新しい認識をもっていただけたら嬉しいです」(監督)と笑顔で語り、イベントは終了した。

映画「グランド・マスター」は5月31日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかにて全国ロードショー。

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