葬式で結婚式挙げたカップル、挙式楽しみにしていた叔父の急死で決断。

2013/05/16 13:10 Written by Narinari.com編集部

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今年3月上旬、米ペンシルバニア州フィラデルフィアの教会で結婚した米国のあるカップルは、集まった人たちを驚かせた。なぜならその結婚式は、2月末に急死した花婿の叔父の葬式中にスタートしたから。叔父が式に協力したがっていたことを知っていた家族の後押しも受け、この同日開催という決断に至ったそうだ。

米紙フィラデルフィア・インクワイラーによると、この結婚式を挙げたのは、ペンシルバニア州フィラデルフィアに住む39歳のレジー・ウェイドさんと、29歳のマクミランさん夫妻。8年間交際を続けた2人は昨年、レジーさんがプロポーズして結婚を約束し、今年4月頃の式を考えていた。ところが、晴れの舞台へ向けて着々と準備を進めていた2人に、本番間近の2月27日、予想もしなかった不幸な話が舞い込んだ。

それは、夫レジーさんの叔父グレゴリー・スコットさんが、薬物売買に手を出していた親戚の男に銃で撃たれ、帰らぬ人になったという突然の訃報。生前、2人の結婚を楽しみにしていたという彼は、参列するにあたって1つ約束をしていた。2年前の感謝祭で集まって2人の結婚話が盛り上がった際に、マクミランさんの父が病気で他界したと知った叔父は、式で「自分がエスコートするから」と新婦の父役を買って出て、心配する彼女の気持ちを落ち着かせたという。この言葉を覚えていた2人は、自分たちの結婚式で叔父が当然大きな役目を務めてくれるものと期待していた。

そんな晴れ舞台を目前にして、突然訪れた叔父の死。しかし、彼らに葬式中の結婚式という提案をしたのは、叔父の家族からだった。スコットさんの娘によると、以前から彼は自身の葬式について、悲しい雰囲気ではなく、普通とは異なる楽しい葬式を望んでいたそう。そこで3月9日、教会を会場に予定を進めた彼の家族は、普通の葬式とは異なる進行を計画した。

かくして当日、スコットさんとのお別れに集まった約2,000人の参列者は、葬式の終盤で一風変わったイベントを目の当たりにする。突然「今から結婚式を行います」とアナウンスされると、レジーさんとマクミランさんが席から立ち上がり、スコットさんの遺体の元へと登壇。唖然とする参列者たちに対し、スコットさんの妻が「結婚式よ、立って拍手をしましょう」と呼び掛けると雰囲気は一転し、亡き叔父に対して結婚を報告する2人に「おめでとう」の声が飛び交ったという。

「葬式の最中に結婚式ができるとは思わなかった」と話すのは新婦マクミランさん。一方、2人に結婚式を開かせたスコットさんの妻アルフレッダさんは「これが正しいのかは分からない」としながらも、亡き夫が2人と交わしていた「約束は守った」と話し、それぞれの気持ちを尊重した結果に満足しているようだ。

参列者の反応も「ショックを受けた人もいれば、楽しんだ人もいた」とさまざまだったというが、最終的には多くの人から「最高の葬式だった」との言葉をもらったそうで、不慮の死だったとはいえ、叔父も心残りなく旅立つことができたかもしれない。

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