40年前発表の小説がジワ売れ、“改稿決定版”がついにTOP10入り。

2013/04/25 04:00 Written by Narinari.com編集部

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40年前に発表されたミステリーが、いま、脚光を浴びている。今週4月29日付けのオリコン週間“本”ランキング文庫部門で、ジワジワと順位を上げていた中町信「模倣の殺意」(2004年8月13日・創元推理文庫・東京創元社)がその作品で、先週の17位から7位に上昇し遂にTOP10入りを果たした。

本作は、2009年に逝去した作家・中町信のデビュー長編。自殺として処理された新進作家の死の真相を、2人の人間がそれぞれの角度から探り始める、というミステリー小説で、1972年に「そして死が訪れる」の題名で発表された後、翌1973年に「新人賞殺人事件」と改題され書籍化、その後1987年に文庫化された。

「模倣の殺意」は2004年に“改稿決定版”として復刊されたものだが、長く在庫切れとなっていたところ、昨年末に文教堂書店が行った品切れ良書の紹介企画を受け増刷したところ評判となり、ジワジワと人気を広げていったという。発売元によると、大手新聞での紹介もあるが、多くは書店での大々的な展開が功を奏し、セールスに結びついたとのこと。

文庫ランキングでは、3月25日付けで61位に初TOP100入りすると、その後は週を追うごとに上昇、週間売り上げも毎週伸ばしており、今週の週間売り上げ1.8万部は、初TOP100入りした3月25日付けの0.4万部と比べると4倍強の売り上げ増となる。今後どのくらいのセールスの伸びを見せるか、期待が高まる作品だ。

そのほか今週の文庫部門は、先週首位を獲得した「SAO」シリーズの最新刊、(著)川原礫/(イラスト)abec「ソードアート・オンライン12 アリシゼーション・ライジング」(2013年4月10日発売、アスキー・メディアワークス)が、週間売上5.2万部で今週も首位に。また、今週4月27日より、女優・高岡早紀の主演で映画公開となる百田尚樹「モンスター」(幻冬舎)が先週22位から8位に上昇、初のTOP10入りとなった。

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