鐘は鳴らすものだが、中に入るものではない。当たり前のことだが、先日中国では、冗談で鐘の中に入った男性が閉じ込められるという事故が発生した。友人らがグルグルと鐘を回したことが直接の原因だという。

中国メディア光明網などによると、この一件は4月14日、山東省シ博市にある管仲（※春秋時代・斉の政治家）記念館で起きた。

その日、同館を訪れていた若い男女のグループが敷地内のあずまやを訪問したときのこと。一人の男性がつり下げられていた鐘の中にくぐるようにして入ると、友人たちは周囲を囲み、イタズラで鐘を回し始めた。すると、重さ2トン以上の巨大な鐘が「ドン」という音とともに突如降下。あれよあれよという間に男性はすっぽりと鐘の中に入ってしまい、閉じ込められてしまった。

不幸中の幸いは鐘をつるすワイヤーが切れたわけではないので、降下スピードが比較的ゆっくりだったこと。ただ、男性は突然のことに逃げるにも逃げられず、現場に駆けつけた消防隊員が滑車装置を使って救出するまで、しゃがむような姿勢でじっとしているしかなかったという。なお、男性は無傷だった。

同館従業員によれば、この鐘は2004年に現在の場所に設置されたそう。今回の一件が起こるまで同様の事件は一度も確認されておらず、鐘が回されるうちに固定していたネジが外れてワイヤーがゆるみ、結果として降下を招いたのではないかと見ている。