中国で「深夜食堂」に絶賛の嵐、「孤独のグルメ」の人気も高まる。

2013/04/06 18:38 Written by Narinari.com編集部

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深夜しか営業していない、東京・新宿の小さなめしやを舞台に、マスターと常連客の心温まる交流を描いたマンガ「深夜食堂」(作:安倍夜郎)。第39回日本漫画家協会賞を受賞した本作は、TBS系で2度ドラマ化され、注目を集めたのも記憶に新しいところだ。そんな「深夜食堂」が、いま、中国でもちょっとしたブームを呼んでいる。翻訳されたマンガ版や、動画サイトにアップロードされたドラマ版を観てファンになった人たちが、すっかり“常連客”になっているようだ。

韓国版、台湾版に続き、中国本土で正規翻訳版「深夜食堂」(湖南文芸出版社)が発売されたのは今年1月のこと。現在は第1集から第4集まで発売されている(価格は1冊25元=約380円)。

多くの中国人にとって「深夜食堂」を知るきっかけとなったのが、動画サイトにアップロードされたドラマ版だ。日本での放送からほどなく、「youku」や「土豆網」といった大手動画サイトに次々と動画が掲載され、その世界観の虜になったユーザーが微博(中国版ツイッター)などを通じて紹介。そこから話題に上る機会が増え、さらに有名人やメディア関係者の間にもファンを公言する人たちが続々と現れるようになり、中国のネットには「深夜食堂」に関する情報が溢るようになった。

そうした状況の中で、満を持して中国で刊行された翻訳版だけに、ある程度の盛り上がりは予想通り。書評サイト「豆弁読書」では、4月4日現在、約63%のユーザーから最高評価である5ツ星が付けられており、次点の4ツ星評価を合わせると、実に約95%のユーザーから高い評価を受けていることがわかる。コメントも2,500件以上寄せられており、その大部分が「心温まるストーリー」「絵はいまいちだけど、物語はとても味がある」「読むと癒されるし、お腹も減る〜」といった賞賛の声ばかりだ。

「深夜食堂」の書評を執筆した作家の韓松落氏は、自身の人生に存在してきた数々の“深夜食堂”の思い出を紹介。それはときにレストランであったり、バーであったり、友だちの家であったりさまざまで、また、自分がときにマスターであったり、客であったりと立場も変わるが、こうした“深夜食堂”は人の心を温めてくれる貴重な存在だとしている。

なお、湖南文芸出版社は「深夜食堂」に続き、作家・村上龍氏の短編小説集「村上龍料理小説集」(講談社)を「孤独美食家」とのタイトルで出版。また、中国では現在「深夜食堂」とともに、ドラマ版「孤独のグルメ」(テレビ東京系)にも人気が集まっており、ネットでは「『深夜食堂』と『孤独のグルメ』以外で、日本の料理系ドラマやマンガを教えて欲しい」といった話が盛り上がりを見せるなど、日本の料理マンガ・ドラマに対する関心が高まっている。

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