“サッカー通”平畠がJ映画に、開幕20周年記念作品で役者デビュー。

2013/04/02 11:20 Written by Narinari.com編集部

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公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と、米国アカデミー賞公認でアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」が、Jリーグ開幕20周年を記念して共同で製作した特別ショートフィルム「旅するボール」に、お笑いタレントの平畠啓史(44歳)が出演。4月1日、東京・JFAハウスで行なわれた完成披露記者会見に出席した。

2011年よりタイアップをスタートさせたJリーグとSSFF & ASIA。これまでフットボールプログラムとして作品の上映をしてきたが、このたびJリーグの開幕20周年を記念してオリジナルショートフィルムの製作が決定。Jリーグが国内スポーツ文化へ影響を与えた“ホームタウン”という理念、創設以来提唱している“身近にスポーツがあるライフスタイル”、これから進出を計画している海外へという3つのテーマを掲げた作品「旅するボール」が完成した。

同作は、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県を舞台に、小学生の小雪が震災で仕事と家を失って気力をなくしている父を励まそうと、真新しいサッカーボールを持って父への寄せ書きを集めるという心温まる物語。J1ベガルタ仙台のホームであるユアテックスタジアム仙台で撮影が行われ、主題歌「If」は仙台在住のアーティスト・MONKEY MAJIKが手がけている。

会見には公益社団法人 日本プロサッカーリーグの大東和美チェアマン、SSFF & ASIAの代表である別所哲也のほか、大川五月監督、キャストの西畑澪花、神尾佑、中嶋朋子も出席。MONKEY MAJIKからのビデオレターも上映された。

作品上映後に登壇した平畠は、司会進行を務めたベガルタ仙台のスタジアムDJ大坂ともおより「サッカー界ではおなじみの」と紹介されニヤリ。近くに座っていた大東チェアマンからも早速、声をかけられる。

平畠が演じたのは、主人公・小雪がメッセージをもらいに訊ねていく智雄という役。主演の西畑とのシーンが多いが、司会からの「平畠さんからサッカーは教えてもらえましたか?」との質問に、「雨が降っていたので、サッカーはできなかったんです。けど、お菓子を食べながら、たくさんお話ししました。とても面白い方でした」とはにかみながら答える西畑。

役者デビューについて訊ねられた平畠は、「いやぁ、(ほかのキャストの)皆さんがいるなかで役者だとは恥ずかしくて言えませんよ」と照れながら、「サッカーに関わるお仕事、仙台に関わるお仕事をさせていただいているので、演技のことはわかららないながら、楽しくやらせていただきました」とコメント。震災については、「当時、選手たちは“こんな大変な時期に、サッカーをやっていていいんか”と仰ってましたけど、僕も“こんな時に、サッカー番組をやっていていいんか”と考えたこともありました。仙台は非常にシンボリックな場所。(撮影で使用されたユアテックスタジアム仙台)スタジアムも壊れていましたが、今では直って、こうやって撮影もできた。それはすごく感動的なことでした」と撮影を振り返る。

親しみのあるキャラクターで、サッカーファンから愛されている平畠ですが、スタジアムで行なわれた撮影でもベガルタ仙台のサポーターとの交流があったそう。「普通にお話ししましたよ。バナナをいただいたり、飴食べ? とか、優しくしていただきました(笑)。仙台のサポーターはオープンで大好きです」と嬉しそうだ。

今作については「震災当時、スタジアムに全国のサポーターからいろんな物資が運ばれて来た。段ボールにはメッセージが書いてあって捨てられなかったという話もあって……。今回の作品は、ああいうお話になりましたけど、スタジアムに来られているお客さん一人ひとりに、ああいうドラマがあるんじゃないかなと思いましたね」と真面目に語ると、大坂から「おふざけなしで」と指摘。それに対して、平畠は「おふざけが苦手なんです!」と堂々と答える。

CSでサッカー番組のMCを長年務めていることもあり、「この作品が、Jリーグに足を運んでいただけるようなきっかけになれば。多くの人に、スタジアムへ来てもらいたいですね」と、サッカー愛も垣間見せた。

同作品は、昨シーズンのJ1第31節(2012年11月7日開催)のベガルタ仙台対セレッソ大阪戦で撮影を行なったそう。前半に役者陣を、後半にサポーターを撮影したが、「前半、得点が入らなくてドキドキした」と大川監督。サッカー観戦が初めてだったという神尾は「芝居をするだけだったので、余計なことは考えないようにしていました」と語りながらも、サポーターが起こす高揚感に圧倒されたよう。「盛り上がりがすごかった。自然と興奮して来て、“なんで俺は(サポーターが歌っている)歌を知らないんだろう”と思ってしまったくらいだった」と興奮気味に語る。

スタジアムには何度も行っているという平畠も、サポーター席で観る機会はいままでにあまりなかったようで、「こういう感じなのかと。だから、芝居云々よりも、あの場に身を委ねたら(必要な)表情はできるのかなと思っていました。ここからは、こういう感じに見えているのかと教わることも多かったですね」と感慨深そうだった。

「旅するボール」は、5月23日(木)から6月8日(土)まで東京で開催される「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2013」にて、プレミアム上映される。大川監督は「サッカーは得点がなかなか入らない。でも、その瞬間のために時間を費やす、刹那的な感じがすごくステキです。それに、スタジアムは悩んでいる時とかに自分を忘れられる場所だとも思います。サッカーを観たことのない方も、そういう場所を見つけていただけるような作品になっていればいいなと思います」と締めくくった。

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