食べ物は口で味わうだけでなく目でも楽しむもの、とよく言われるように、視覚も好みを判別する大きな要素。もし目の前に出された食べ物や料理の見た目に違和感を覚えたなら、誰だって食欲は湧いてこないだろうが、ドイツの食品メーカーはそんな固定観念に挑戦する製品を販売している。「消費者に楽しみを提供する」ために開発されたのは、食べ物に色を付けられる食用のメタリックスプレーだ。

英ニュースサイトのオレンジニュースなどによると、「フード・フィニッシュ」なる食用スプレーを開発したのは、デリ・ガレージというドイツの食品メーカー。同社は「消費者の楽しみとなる製品を企画・製造する」のがポリシーだそうで、多くのアイデアの中から製品化まで辿り着いた、いわば自信作がこの「フード・フィニッシュ」だ。

用意されているのは、金・銀・赤・青の4色。いずれも光沢が出るメタリックな色合いに仕上げられており、例えばチョコレートやフルーツなどで上手に使用すれば、ちょっとゴージャスでカラフルなお菓子やデザートが完成だ。同社サイトには、リンゴやローストチキンを金や銀に塗り替えた写真が掲載されており、食欲をそそられるかどうかは個人差があるところだろうが、“話題作り”という意味では抜群のインパクトだろう。

アイデア段階から社内で「好評だった」と話すのは、この食用スプレーの開発に携わったプロジェクトマネージャー。食べられる塗料ができあがるまでにはかなりの苦労もあった様子だが、「幸運にも製作できる業者を見つけられた」おかげで開発が進み、製品化にこぎつけられたという。塗料には香料が使用されているものの、味はないため「どんな食べ物にも使用できる」そうだ。

現在、「フード・フィニッシュ」は同社サイトで販売中。価格は1缶100ミリリットル入りで24.8ユーロ（約3,100円）となっている。