昨年10月、イングランドサッカーリーグ9部のチームに所属する選手が、試合後に頭痛を訴えて病院に運ばれると、その2か月後に亡くなった。死因は脳卒中と判明したが、検死官はさらに詳細な調査を継続。先頃その結果が発表され、彼の脳卒中が「何度となく行ってきたヘディングが一因となって引き起こされた」と報告したという。
英紙デイリー・メールやインディペンデントなどによると、調査が行われたのは、昨年10月に27歳の若さでこの世を去ったブライアン・ハーバードさん。12歳でランカシャー州バカップを本拠とするバカップ・ボローF.C.のジュニアチームに入った彼は、順調に成長を重ね、昨年までチームのエースストライカーとして活躍していた。また、キャプテンとして別のアマチュアチームにも所属し、多い時には週4日も試合をこなすほどサッカーが大好きだったそうだ。
そんな彼に異変が起きたのは、昨年8月15日のこと。試合を終えて家に帰った彼は、翌日から一緒にギリシャへ婚前旅行をするはずだった彼女に、頭痛で飛行機に乗るのが不安と漏らした。そして出発するはずだった翌日の朝、彼は頭痛に耐えられず声をあげるまでに症状が悪化。慌てた彼女や家族が救急車を呼び、ハーバードさんは病院へ運ばれたが、すでにこの時点で会話ができなくなっていたという。その後、一旦笑ったり腕を動かしたりして意思疎通が図れる状態になり、家族は「快方に向かうもの」と信じていたそうだが、残念ながら回復には至らず、10月9日に病院で息を引き取った。
検死の結果、脳卒中が死因と報告されたハーバードさん。しかし、スポーツ選手として元気だった彼の突然の死に「さらなる分析を行う必要がある」(英紙ランカシャー・テレグラフより)と調査の続行に踏み切った。
倒れる直前、ほとんど病院に行かなかった彼の具体的な健康状態がどうだったかは不明。ただ、彼女や家族からの聞き取りで異変が起きる数週間前から「具合が良くないと話していた」事実が判明し、検死官たちはそうした情報も調査に勘案して最終的な結論を導きだした。
その結論によると、彼の死因は「脳の動脈に裂傷ができ、血が固まって血管を詰まらせた」脳卒中と断定。さらに裂傷が発生した原因を「何度となく行ってきたヘディング、または高血圧」が要因になったと言及している。
体調の不安を漏らしながらも、旅行を楽しみにしていた彼は前日まで「元気そうに見えた」と話すのは、交際していたヴィッキー・ブルティーさん。旅行から帰ったら「一緒に生活を始める予定だった」と、彼の死が幸せの目前で訪れてしまっただけに、「私の人生が狂った」と語る彼女は、未だ大きなショックを引きずっている。