自殺覚悟13歳に世界から手紙、助け求める母の呼び掛けに2,000通。

2013/03/13 16:44 Written by Narinari.com編集部

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米国に、今年2月までいじめを受けて大いに悩み、何度も死を考えた13歳の男の子がいる。メリーランド州コロンビアに住むノア・ブロックルバンクくんは、周囲からのいじめが原因でうつ状態に陥り、2月8日の誕生日に「自殺する」とネットに投稿、両親を驚かせた。息子の状態に悩んだ母親は彼を病院で治療を受けさせる傍ら、何とか生きる希望を見つけさせてあげたいと、Facebookや開設したサイトから、世の人たちへ1つのお願いをしたそうだ。

米放送局CBSやCBS系列WJZ-TVなどによると、以前から学校の同級生らから容姿や性格を罵られ、仲間外れに遭うなどいじめの対象になっていたノアくん。それが原因で、ここ数年はひどく落ち込むなどうつの傾向が見られるようになった彼を何とか支えようと、両親は病院での治療を1年以上受けさせ、学校や生徒の保護者には、いじめを止めさせるよう訴え続けてきた。

しかし改善が見られぬまま迎えた今年1月末のこと。彼はリストカットの傷が多く刻まれた腕の写真とともに、13歳の誕生日となる2月8日に「自殺を予定している」とネットで予告し、その書き込みを発見したユーザーの通報で駆けつけた警察は、彼を病院へと強制的に連れて行った。衝撃的な決意までした息子の状態を思い知り、母カレンさんは息子が入った緊急治療室の前で眠れぬ夜を過ごしたという。

自殺しようと思った理由について、「すべてにおいて、自分は役に立たないと感じた」と語ったノアくん。治療にあたった医者から事情を聞いたカレンさんは、自分の存在意義を見失うまでに至った息子の心境を救いたいと、自分だけでなく広く世間の人々からも助けを借りて、彼を励ます方策を考えたという。そして彼女は「何人かだけでも寄せてくれれば」と期待を込めて、Facebookに登録した一部の友人たちへ息子を元気づけるような「手紙を書いてくれないか」と依頼し、その返事を待った。

すると、彼女のメッセージは予想以上に広がっていき、ほどなくして多くの手紙が寄せられる状況に。さらに、広く息子への激励を呼び掛けるサイトも開設すると、反応は米国以外にも欧州や豪州、日本や韓国など、誕生日までの2週間弱で2,000通もの手紙が届けられたそうだ。多くは「信じるのが難しいのは分かっているが、人生は良くなっていくものだと私が約束する」「あなたの存在は母親にとって愛そのもの」など、彼自身の大切さを訴え、中には同様にいじめを受けた経験者からアドバイスが書かれていたものもあった。

世界中の見知らぬ大勢から寄せられた手紙を、熱心に1通ずつ目を通したというノアくん。世の中には自分を気にかけてくれる人が多くいると分かり、「世界は本当に素晴らしい」と視野の広がりを持ったようだ。現在も感情に波はあるというものの、「人の悪い面ばかり見ていた」と学んで、物事を前向きに考えるようになったという。

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