“闘病の親友”のため6歳が奮闘、自作の絵本で約300万円集める。

2013/03/05 18:48 Written by Narinari.com編集部

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米国では、さまざまな事情からお金が必要な子どもが周囲に協力してもらい、物販で寄付金を集めるケースが少なくない。ロサンゼルスに住む6歳の男の子、ディラン・シーゲルくんもそう考えた1人。彼は昨年、肝臓の病気に苦しむ幼稚園の親友を助けたいと、商品となる本を自分で制作した。両親の協力もあって、書店にも並べられた本は大きな話題を呼び、寄付金も約3万ドル(約280万円)を超えるお金を集めているという。

米放送局KTLAやABCなどによると、ディランくんが両親に寄付集めの相談をしたのは昨年の秋頃のこと。糖分を貯蔵する“グリコーゲン”が分解できず、肝機能障害を引き起こす糖原病1B型を患う幼稚園の親友ジョナ・プアナザリアンくんを助けたいと両親に協力を求めた。話を聞いた両親は「レモネードかパンの店をやろう」と提案。しかし、「本を書きたい」とすでに計画を描いていた彼の希望を知り、その後押しを約束した。

現在7歳のジョナくんは、生後6か月のときに糖原病と診断された。先天的な難病で、食事も野菜とチキンスープを混ぜたコーンスターチをチューブで胃に流し込むケースがほとんど。また、彼の食事は毎朝3時も定時になっており、両親は目覚まし時計をセットして用意、彼を起こして摂取させる毎日を送る。体も決して丈夫ではないジョナくんに、「彼もずっとチューブで食事したいとは思っていない」と話す両親は、6年前に治療法を研究するフロリダ大学で活用してもらうための基金を設立。これまでに40万ドル(約3,700万円)を集めたそうだ。

それでも依然病気に苦しみ続けている親友の姿に、自分も力になろうと行動を起こしたディランくん。両親に相談した翌日、彼は「チョコレート・バー」という16ページの絵本を1日で描きあげると、両親やその友人らが力を合わせて原版をコピーし、多くの本を制作した。さらに彼の本を知った地元のスーパーが、お菓子のチョコレートバーを「寄付してくれた」(「チョコレート・バー」公式サイトより)ため、彼らは手始めに近所の学校で開かれたイベントに参加して販売を行ってみた。すると200冊の本と150個のチョコレートが瞬く間に売れ、わずか数時間で6,000ドル(約56万円)が集まったという。

多くの人に知れ渡った彼の本は、やがて米メディアでも取り上げられてさらに話題になると、地元の書店でも並べられるほどに。親友2人が並んで開いた書店での読書会イベントでは、200人の観客が集まって1日で5,000ドル(約46万円)を売りあげたほか、Facebookや公式サイトを通じて寄付してくれる人もいるおかげで、“6歳の作家”は現在までに約3万5,000ドル(約320万円)ものお金を集めた。

それほどの額になるとは本人も予想してなかったようで、現在の達成ぶりを「信じられない」と話しているというディランくん。総額100万ドル(約9,300万円)という目標に向け、彼の両親も「達成するまで立ち止まりたくない」と引き続き協力する姿勢を見せており、これにはジョナくんの母親も「ディランのような仲間がいて、本当に助かる」と感謝しきりの様子だ。

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