高良&池松&綾野が恋愛語る、映画「横道世之介」のトークイベント。

2013/02/21 03:19 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


俳優の高良健吾(25歳)、池松壮亮(22歳)、綾野剛(31歳)の若手実力派俳優3人が2月20日、映画「横道世之介」のトークイベントに出席。映画の舞台となり、撮影も行われた法政大学に登場した。

23日の公開を控えたこの日、原作者・吉田修一の出身校であり、主人公・世之介の通う大学のモデルにもなっている法政大学では、市ヶ谷キャンパス内にあるホールに、現役在学生、OB・OGら約600人がつめかけ、高良、池松、綾野らの登場時には女子学生からの歓声も。その様子に、本作でメガホンを執った沖田修一監督が「僕を見に来てくれた方はいるんでしょうか?」とジョークを飛ばし会場が笑いに包まれたほか、俳優陣が会場の学生からの恋愛相談にもアドバイスを送るなど、終始和やかな雰囲気でトークが進んだ。

法政大学での撮影について、監督は「サークルのポスターなどをいろいろ貼って80年代に作り変えたのが印象的。撮影中はまわりの雰囲気ごと80年代にタイムスリップしたような気分だった」と話し、世之介を演じた高良は「法政大学での撮影が(綾野)剛くんと初対面だった。その日に世之介が(綾野演じる)加藤と出会うシーンも撮影して、初めてだったけどすごく楽しくできた」と撮影時のエピソードを披露。綾野は「箱根駅伝が好きで、中でも法政の選手はかっこいい。陸連に媚を売らない感じが好き」だと法政大・駅伝チームのファンであることを明かした。

男性陣のみのトークイベントということで、恋愛観についての質問が飛び出すと、高良は「やさしい人がいいです。思いやりのある人がいい」と明かし、池松は「10代だったら(吉高演じる)祥子、20代なら(伊藤演じる)千春、30代なら(朝倉演じる)唯かな。たぶん沖田さんがそうなんじゃないかなと思う」と話すと、監督は「僕は唯がいいな。単純に黒髪でかわいいなと思う」と話しつつも「今年36歳になるのに何言っているんだろう」と照れ笑いを見せた

。綾野は「見ていて楽しいのは祥子。喜怒哀楽がはっきりしている、見ていて気持ちのいい女性がいい」と話しつつも、女性を好きになれない役だったことに絡めて「いろいろ言いましたが女の子だったらいいです。男性だとけんかも大変そうだし」とおどけて見せた。

また、上京からの大学生活一年間を描いた本作にちなんで自身の青春時代の思い出話に。

高良は「忘れられないのは中学3年生の時に好きだった女の子が(高良と同じ)ケンゴという人が好きで。知っていたけど告白をしたら付き合うことになったけど、結局2〜3週間後に『ケンゴかケンゴくんのどっちが好きかわからない』とフラれてしまった。イヤな思い出です」と苦い思い出を語った。

池松は「高校まで福岡にいて野球しかやっていなかったから特にないなぁ。これから何かが待っているとうれしい」と話し、綾野は「上京して初めて渋谷のスクランブル交差点に行ったら、誰も自分のことを知っている人がいなくて、なんて自由なんだと思った。至近距離ですれ違っても決して交わらないし。同時にこの街って目的を持っていないとどこに進んでいいかわからなくなるなと思った」と上京時のエピソードを披露。

沖田監督は「大学時代はずっと寝ていた記憶しかない。本当にやることがなかったから、近所に咲いている桜を毎日同じ時間にビデオでコマ撮りしたらおもしろいんじゃないかと思って実際にやってみたけど、あっという間に咲いて散ってしまいました」と、当時から撮影をしていたというエピソードから、話題は現在の道に進むきっかけに。「共同脚本の前田(司郎)くんは中学からの同級生で、一緒にカメラで撮影をして遊んでいたのがだんだん面白くなってきて。でもどんなに頑張って作ってもできるのはせいぜい5分くらい。それから2時間もある映画っておもしろいなと、映画を観るようになってやりたいなと思うようになった」と話した。

高良は「中学の時に見た『私立探偵 濱マイク』というドラマが大好きで。テレビにかじりついて見たくらい。毎週監督が違うので、ドラマを見たらTSUTAYAでその監督の映画を借りて、翌週はまた違う監督なので、またその監督の作品を見て、と繰り返していたら映画が好きになった。初めての芝居は小学5年生のときの「滝廉太郎の生涯」。セリフを言うのが本当にイヤで滝廉太郎の銅像役をやったくらい。役者は絶対に自分はできないと思っていた。好きになったのはやりながらですね」と振り返った。

池松は「今もそうなんですけど人前に出るのが本当にイヤで。親に度胸試しに(オーディションに)行って来いと、当時すごく流行っていた野球カードを2枚買ってくれるという約束で行ったのがきっかけ。結局オーディションに合格したけど野球カードは買ってもらえなかった」と話した。

綾野も「今でも芝居は恥ずかしい。当時は芝居なんて、と思っていたけど、まだ素人の僕にすごく怒ってくれたり真剣に向き合ってくれた監督がいて、階段をのぼりながらふと『やろうかな』と思った。きっかけは人ですね」としみじみと語った。

また、会場の学生らとのQ&Aタイムも。「女の子との会話が続かない」との男子学生の悩みには、綾野が「気持ちわかります。だまって隣にいるのが一番いい。一回試してみてください」と恋愛アドバイス。まもなく社会人になることを不安に思う女子学生には「人のせいにしないでがんばって欲しい」と高良がエールを。映画サークルに所属する学生から「もうすぐ就活も始まるしこのまま映画を作り続けていいのか不安」という悩みには、沖田監督が「不安は今でもある。大学の時は卒業しても映画を撮りたいと思っていたので就活もしなかった。バイトをしながら貯めたお金で映画を作って人に見せることを繰り返していた。30歳くらいまではバイトもしていた」と背中を押すなど、真摯に答えて見せた。

イベントの最後は、会場に集まった学生たちに向けて各々からのメッセージ。沖田監督は「撮影をした法政大学でイベントをやっていただけてうれしい。この3人と舞台に立てる機会はあまりないのでうれしくてそわそわしています。これから公開しますが、ただ公開して終わるのではなく末永く誰かにとっての大事な1本になるんじゃないかと思いながら作ったし、映画を観た方にもそう思っていただけたらうれしい」と挨拶。

自身も現役大学生の池松は「会場に入った瞬間、(試写会を観終わった)みんながいい表情をしているのが見えてすごくうれしかった。この映画を観たことで、何かがキラキラと見える瞬間があればいいなと思った。夢とか目標とか言われる時期だと思いますが、楽しいことを見つけるのが一番だと思っています。僕も3月で卒業。一緒に楽しいことを見つけましょう」とエールを送り、綾野は「人に見つめられて初めて自分の存在が明確になると思っている。自分の目でしっかり見て、ときにはそれも疑って、そういう感覚を自分の血や肉にしてほしい」とアドバイスを送った。

高良は「横道世之介を演じることができて、僕はどの役者さんよりも得をしたと思う。この映画は世之介にスポットを当てているから彼が輝いて見えるけど、世之介は目の前のことに毎回きちんと向き合っていている。普段つまらないな、普通だなと思うことがあっても、ちゃんと自分に焦点をあててみれば自分も輝くし、人にも影響を与えていることにも気づく。そういうことだと思う。みなさんも毎日を楽しんでほしい」と、会場の学生に向けて丁寧に語った。

映画「横道世之介」は2月23日(土)新宿ピカデリーほか、全国ロードショー。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.