“1日に8回死ぬ”日本兵が話題、中国の抗日ドラマのエキストラ。

2013/02/05 18:33 Written by Narinari.com編集部

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中国で連日これでもかと放映されているのが、抗日をテーマにしたドラマや映画の数々。それこそ中国で生活している日本人にとってはげんなりさせられるような放映頻度なのだが、このたび、中国のネットではあるエキストラの話題が注目を集めている。そのエキストラは主に日本兵を演じており、1日で8回も“殺された”伝説を持つそうだ。

中国紙錢江晩報などによると、今回話題を呼んでいるのは26歳の史中鵬さん。エキストラを仕事にしている史さんは主に横店電影城(中国浙江省中部の東陽市にある映画撮影所。米映画『ハムナプトラ3』の撮影にも使用されている)で活動しているが、同地で2012年に製作された作品は150本以上に及び、そのうち約30%に当たる48作品が“抗日”をテーマにしていた。また、同撮影所では昨年1年に約30万人のエキストラが起用されたが、そのうちの約60%が“鬼子”として抗日作品に出演。史さんもそうしたエキストラの一人というわけだ。

史さんは同撮影所で作品に出演するようになってはや4年が経つが、やはり最も多いのが日本兵のエキストラの仕事。2012年1年間だけで30以上の抗日作品に出演し、演じた日本兵は200回以上に上る。“1日で8回殺された”こともあるそうで、演じる上で大切なこと(要求されること)は“下品であれば下品であるだけなお良し”とのこと。配役担当者との面接では、なるべく醜い顔で細目にしたりするなど、史さんならではの工夫もあるそうだ。

史さんの近々の夢は日本兵ではなく、八路軍(中国人民解放軍の前身)の兵士として作品に出演すること。常に敵として憎まれ、“殺される”役には若干疲れているという。とは言え、現在同撮影所で撮影進行中の19作品のうち、9作品は抗日がテーマなのだそうだ。

なお、地元メディアはこの話題に関連して、「どうして中国は抗日作品ばかりなのか?」との質問を業界関係者にぶつけているが、緑城伝媒の周偉成さんは「昔の歴史をテーマにした作品は審査が制限されており、また、スパイドラマはゴールデンには放映できない。だったら抗日作品以外、いったい何を撮影できるんですか?」と逆質問する始末。やはり中国で抗日作品が多い背景には、国の審査・検閲制度が大きく関わっているようだ。

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