“最高齢の芥川賞”作品が5位、話題の黒田夏子「abさんご」好発進。

2013/01/31 04:00 Written by Narinari.com編集部

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今週2月4日付けオリコン“本”ランキングBOOK(総合)部門では、1月16日に発表された第148回芥川龍之介賞、直木三十五賞で芥川賞を受賞した、黒田夏子「abさんご」(文藝春秋)が、週間2.4万部を売り上げ、初登場で5位にランクインしたことがわかった。

「abさんご」は、全文横書きのうえ、「固有名詞」や「かぎかっこ」「カタカナ」を一切使わないという日本語の限界に挑んだ実験的な作品だが、その文章には「昭和」の知的な家庭に生まれたひとりの幼子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語が描かれている。作品には表題作の「abさんご」のほか、1963年に読売短編小説賞に入選した「毬」など3編が収められている。

著者の黒田夏子は1937年東京生まれの75歳。教員・事務員・校正者などを経て、今回受賞した「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞を受賞し、昨年2012年にデビューした。今回の芥川賞受賞は、1973年に第70回で受賞した森敦「月山」の61歳11か月を大幅に更新、史上最高齢での受賞となり大きな話題となっている。

また今週は、同直木賞受賞の朝井リョウ「何者」(新潮社)が35位から13位に、安部龍太郎「等伯」上下巻(日本経済新聞出版社)が、それぞれ56位→51位、84位→71位と先週からさらに順位を上げた。

また、先週1月21日に発表された「本屋大賞2013」のノミネート作品も一部上昇、川村元気「世界から猫が消えたなら」(マガジンハウス)が100位圏外から40位に、横山秀夫「64」(文藝春秋)が86位から77位に、百田尚樹「海賊とよばれた男」(講談社)の上下巻がそれぞれ100位圏外から78位、93位にランクイン。

そのほか今週のBOOK(総合)部門は、「とびだせどうぶつの森かんぺきガイドブック」(エンターブレイン)が5週ぶりの首位に返り咲き、また旬のエンタメ情報をビジュアル満載で紹介し人気の「SODA」最新号「SODA Special Issue Spring」(ぴあ)が3位に初登場した。

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