“お下劣クマ”字幕監修の裏側「差別的表現もあったのでまろやかに」。

2013/01/21 12:54 Written by Narinari.com編集部

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“見た目はキュート、中身はおっさんのテディベアが大暴れ”するR15+指定映画「テッド」。その日本公開を記念して、東京・渋谷のTOHOシネマズ 渋谷で1月19日、字幕監修を行った映画評論家の町山智浩氏と、雑誌「映画秘宝」の岩田和明編集長がぶっちゃけトークショーを行った。

この日、テレビ出演に続き、2日連続でテッドの着ぐるみを着た町山氏は、「私ももう50歳で娘に嫌がられながらも、こんなことやってます(笑)。今日は客席に女性がたくさんいますけど可愛いクマに勘違いして来ちゃったんでしょうか。 アメリカで公開されたとき場内はおじさんばっかりでしたよ。小さい子どもが『ママこれみたい』って言って『ダメよこんなの見ちゃ!』って怒られている姿は見かけました」と、早速現地の「テッド」の様子を報告。

そんな「テッド」の注目すべきポイントについて、町山氏は「監督のセス・マクファーレンが今度のアカデミー賞の司会を務めるのと、主題歌賞にノミネートされているので『テッド』を見ておいたほうがアカデミー賞も楽しめると思います。セス・マクファーレンは日本ではまだ有名では無いですが、アメリカでは『ファミリーガイ』というアニメで有名になったんです。『テッド』と同様で放送禁止用語連発のアニメなので、そんなセスがゴールデンタイムのアカデミー賞で司会を務めるなんて、タダで終わらないんじゃないかと話題になっています」と、来月のアカデミー賞に絡めた見どころを伝授した。

「テッド」の字幕監修で気をつけた点は、「私が監修する前にあがっていた字幕が訳としては完璧なものだったので、日本で通じやすいような表現に変えることを心がけました」とのこと。具体的には「例えば“テッドラクスピン”という日本ではなじみの無いおもちゃを、人気のゆるキャラ“くまモン”に変えたのですが、本当は某女性タレントの名前を入れようとしたんですが、却下されてしまいました。“パトカーアダム30”よりすごい、という所を“ガチャピン”よりすごいに変えたりしました」といったことを挙げ、変更にあたっては「どういう風に変えるかはTwitterで募って多かったやつとかピンときたやつを採用したところもあります」と、Twitterのフォロワーの意見も採り入れたそうだ。

また、「差別的な表現も結構あったので、そこはまろやかになるように変更しました。スポーツ選手の固有名詞がたくさん出てくるところ」も苦労したという。ちなみに「自分のアイデアで変更したところより、民意を反映させたところのが評判がいい(笑)」そうだ。

映画「テッド」はTOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国大ヒット上映中。

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