西島秀俊&阿部寛が仏映画に、阪神・淡路大震災後の日本がテーマ。

2012/12/23 03:09 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


俳優の西島秀俊(41歳)と阿部寛(48歳)主演のフランス映画「メモリーズ・コーナー」が、2013年2月23日に公開されることが決定した。阪神・淡路大震災後の日本をテーマにフランス人女性記者と2人の男性との不思議な出会いを描いた同作の中で、西島はフランス語の通訳を、阿部は神戸の震災以降に家族を亡くし、孤独死をしながらも愛を探し求めている謎のゴーストを演じている。

「メモリーズ・コーナー」は、フランス気鋭の新人オドレイ・フーシェ監督の第1回作品。さまざまな形で存在する“愛”の形を描き出し、その想いを日仏スタッフ共同で製作した。共演はデボラ・フランソワ、フランソワ・パピニュ、國村隼、塩見三省、倍賞美津子ら。

西島は今回の作品について「ヨーロッパで活躍されているデボラ・フランソワさんと共演でき、いろんな話もできて、思い出深かったです。海外の俳優さんと並んで演技してみたいという気持ちはいつもありますが、デボラさんのようなヨーロッパの女優さんと同じフレームに入ったら、どう見えるんだろうか? というのは、常に興味がありました」と、フランス映画での主演を楽しんでいたようだ。

また、共演の阿部に関しては「非常に真面目な方で、いつも一生懸命に役に向かわれているという印象です。阿部さんは本当に役にのめり込んで演技をされる方だと思いました」と印象を語っている。

一方、阿部は「初監督作品である本作で日本人キャストとスタッフ、日本を舞台にしようと思う、フーシェ監督の強い想いが深く伝わってきました。また、女性の持つ繊細な演出が印象的で、すごくこだわりを持っていらしゃる監督でした」と、フランス人女性監督の演出に好評価。また、西島との共演については「私は英語、西島さんはフランス語のセリフがほとんどで、役柄も主人公の女性を通した通訳とゴースト役だったので、セリフでやりあうシーン等はありませんでしたが、とても良い刺激になりました」とコメントしている。

映画「メモリーズ・コーナー」は2013年2月よりシネマート六本木ほか、全国順次ロードショー。


☆「メモリーズ・コーナー」ストーリー

フランス人女性ジャーナリスト、アダ(デボラ・フランソワ)は、95年に起きた阪神・淡路の震災を回顧する式典を取材するために神戸を訪れる。街は復興し、誰もがかつての悲劇と決別し、豊かな暮らしを楽しんでいるかのように見える。通訳の岡部(西島秀俊)を伴い、かつての被災者の家を訪ね歩くアダの前に、いまだに後遺症に悩む寡黙な石田(阿部寛)が現れる。かたくなな態度をとる彼の心を開かせようとする彼女に、岡部は彼が現世の男ではないと忠告する。しかし彼女は不思議な石田に魅せられ、取材にのめりこんでいく。
やがて彼が幻であることを悟った彼女は、淡路島の美しい風景の中に石田の記憶を見出していく…。


☆オドレイ・フーシェ監督コメント

2007年4月に初めて神戸に現地取材したあと、2009年11月に撮影準備のために再び来日しました。そのとき初めて本作の主役を演じる二人の日本人俳優、阿部寛さんと西島秀俊さんと会いました。私が初めて阿部寛さんと会ったのは何かの芝居の練習中でした。阿部さんは当時、1995年の阪神・淡路の震災犠牲者についてのTVドキュメンタリーを観ていて、私の脚本も大変気に入ってくれました。個人的にも阿部さんは犠牲者の運命に大変衝撃を受けており、石田というキャラクターの悲劇的な人生を演じることに興味を持ってもらいました。

私は、フランスで高い評価を受けた是枝監督の「歩いても、歩いても」に出ている彼を見たとたん、本作にぴったりの俳優だと夢中になりました。阿部さんは才能にあふれ、プロ意識が高く、撮影中誰もが、彼の上品な優しさや仕事に向かう完璧なまでの姿勢にほれ込み、撮影は大変楽しく進みました。

西島さんとは会った途端にすぐに気が合いました。というのも、彼はフランスの文化をとても愛しており、映画の歴史、特にフランス映画について大変な知識を持っていました。私たちは、お互いが好きな監督たち――フィリップ・ガレル、エリック・ロメール、フランソワ・トリュフォー、ジャック・ドワイヨンらについて、よく語り合いました。また彼は熱心にフランス語のセリフを暗記してました。これはとても大変なことですが、1か月もたつと彼は流暢にフランス語でセリフを言えるようになっていたのです。現場のスタッフは皆、びっくりしてしまいました。彼が自分の役に真実味を出すために大変な努力をしてくれたことに、私は心から感謝してます。そしてアダ役のデボラ・フランソワは終始、現場のムードメーカーでした。

撮影現場では、主役の3人をはじめ、國村隼さん、倍賞美津子さん、塩見三省さんら、素晴らしい才能の方々を得て、とてもラッキーでした。彼らとは、台本の内容や次の撮影について、いつも話し合っていたので、皆からのこの映画に寄せる想いをアツく感じていました。本作が初の長編監督作品だった私は、日本の俳優と撮影スタッフの方々の信頼と協力に全てを助けられ、本作を作ることができました。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.