余命1年の17歳が恋人に捧ぐ歌「たぶん、またいつか会えるさ」。

2012/12/20 16:06 Written by Narinari.com編集部

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米ミネソタ州レイクランドで暮らす高校生のザック・ソビークくん(17歳)は、今年5月、医師から余命1年の宣告を受けた。彼は2009年秋に“骨のがん”と言われる骨肉腫が発見され、手術や治療を繰り返してきたが、今年5月の段階で骨盤や肺への転移が発覚。残酷にも余命宣告を受ける事態になった。それから半年余り、刻一刻と人生の終わりが近づきつつある彼は、“さよならの手紙”代わりにと、恋人に向けて歌を作ったという。

米紙セントポール・パイオニア・プレスや米放送局NBC系列KSL-TVなどによると、彼は10月に受けた検査で、さらにがんが肺に広がっていることが確認され、母親から「“さよならの手紙”を書き始めたら」との提案を受けた。しかし、「手紙を書くのは得意じゃない」と乗り気になれなかった彼は、それならばと、手紙の代わりに得意の歌を作ろうと考えたという。6年前、クリスマスプレゼントにギターを貰ってから曲作りもするようになったというザックくん。「歌は頭から離れないときもあるから、手紙よりも強力。気付かずに鼻歌歌ってることもあるでしょ」と、家族や周囲の人に向けた歌を作り始めたそうだ。

そのひとつが、高校の同級生で、現在交際中の恋人エイミー・アンダムルさんに宛てた歌。実は今年7月、彼は地元ラジオ局の取材を受けた際に、得意のギターを披露して関係者に興味を持たれ、「今度はオリジナルの曲を送って欲しい」との依頼を受けていた。そこで今回、彼女への想いをしたためた歌「Cloud(雲)」をラジオ局に送付。すると、12月6日に放送され、大きな反響を呼ぶことになった。

さらに、彼の歌に感動したラジオ局の関係者が友人のミュージシャンに連絡を取り、「彼のためにバンドを集めてもらえないだろうか」と依頼。ザックくんを呼んで、スタジオでレコーディングをする運びになり、12月5日付けでその様子を撮影した動画「Clouds by Zach Sobiech」(//www.youtube.com/watch?v=sDC97j6lfyc)もYouTubeに公開された。12月中旬になって、多くの米メディアでも紹介された影響もあり、再生回数は約92万回(12月20日現在)にまで達している。

「たぶん、またいつか会えるさ」と彼女に捧げる歌は、空に浮かぶ雲のようにポップな曲調ではあるが、それもまた切ない印象。レコーディングは「5時間半に及んだ」そうだが、映像を見る限り彼は元気にこなしたようだ。

しかし病状は着実に進行しており、現在は一度に13種類の薬を飲み、体調がすぐれない日も少なくないそう。そんな彼からのメッセージソングを受け取ったアンダムルさんは、「彼を送り出す心の準備ができるとは思えない」と辛い胸の内を明かしているが、「彼と巡り会えたことはとても幸せだった」とも語っている。

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