父事故死の2児に警察が贈り物、サンタ“派遣”で笑顔をもたらす。

2012/12/18 15:53 Written by Narinari.com編集部

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サンタクロースから願い通りのプレゼントがもらえるか、世界中の子どもたちが楽しみにしているクリスマスももう間もなく。しかし最近、息子2人にサンタを見せようと車で出かけた米国のある家族は、途中で対向車と衝突する事故に遭ってしまい、母親と子どもたちは軽傷で済んだものの、父親は命を落としてしまった。楽しいクリスマスを迎えるはずが一転、悲しみに暮れる男の子たちだったが、先日、そんな彼らを気遣った警察の温かな行動が2人に笑顔をもたらしたという。

米放送局ABC系列WSB-TVや米紙コヴィントン・ニュースなどによると、ジョージア州コヴィントンに住むタイラー・エヴァンスさん家族は12月3日の夕方、レストランに向けて車を走らせていた。この日は、高校時代に知り合って結婚した夫婦が迎えた14回目の結婚記念日。さらに家族にとって12月は、7歳の長男ジョエルくんが21日に、5歳の次男チェーズくんが31日に誕生日を迎え、クリスマスまであるという嬉しいイベントが目白押し。その手始めとばかりに、父タイラーさんは結婚記念日を祝うためにお気に入りのイタリア料理店を予約し、家族で出かけたそうだ。

ところがレストランへ向かっている途中の午後6時頃、家族が乗った車は道を曲がる際に対向車のジープと衝突。運転していた母サブリナさんは事故直後、後部座席に座っていた息子たちが「息ができない」と叫ぶ声を聞き、無我夢中で2人を車の外に救出するのに精いっぱいで、助手席にいた夫まで気が回らなかったという。結局母と息子2人は、運ばれた病院で手当てを受けその日のうちに退院し、対向車の高校生も軽傷で済んだが、父だけは帰らぬ人となった。

楽しい年末を過ごすはずが、父親の死で大きな悲しみに包まれた家族。事故から3日後の12月6日、母は愛する夫のために葬儀の準備を進める一方、まだ幼い2人はフットボールを投げて遊びながら辛い時間を過ごしていたという。そんなとき、3人の家に突然サンタクロースが現れた。誕生日を間近に控えた子どもたちにはおもちゃをプレゼント。母親にも「自分と子どもたちのために使うように」と100ドル(約8,000円)のギフトカードが渡されるなど、総額「1,000ドル(約8万円)相当」の品物が渡されたそうだ。

3人の家にやってきたこのサンタクロースの正体、実は警察の関係者だった。家族を襲った不幸な出来事を「悲しい話」と受け止めた地元警察が、警察内で組織している慈善基金活動を活用し、家族の力になろうとサンタクロースを“派遣”したそう。子どもたちにその効果はてきめんだったようで、2人はサンタを家に招き入れると、驚きながらも「両隣りに座って」訪問を歓迎したという。

これに涙を流して喜んだのは母サブリナさん。クリスマスに向けて、子どもたちにしてやれることを夫と相談してきたというだけに、夫に代わって子どもたちの願いを叶えてくれた警察に感謝し、「夫が愛していた」息子たちが喜ぶ姿に感激したようだ。一方、家族に一足早いクリスマスプレゼントを送った警察関係者は「いつでも私たちは力になるよ」と話し、事件などの対応以外にも、傷ついた市民の助けとなるような行動をしていく決意を語っている。

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