やなせたかし作品3本立て公開、声優・野沢雅子がその魅力を語る。

2012/11/24 08:15 Written by Narinari.com編集部

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声優の野沢雅子(76歳)が11月23日、都内で行われた映画「やなせたかしシアター」の完成披露舞台挨拶に登壇。やなせ作品の魅力などを語った。

アンパンマンの原作者・やなせたかしの絵本は「アンパンマン」シリーズ以外にもたくさんあり、ロングセラー「やさしいライオン」「チリンのすず」は過去にアニメ映画化もされている。そして昨年完成した映画「ハルのふえ」は、やなせが“最も映像化したかった”作品で、第24回東京国際映画祭特別招待作品として上映された。

今回「やなせたかしシアター」として公開されるのは、その「ハルのふえ」と、アンパンマンの誕生をミュージカル仕立てで描く新作の短編「アンパンマンが生まれた日」、砂漠で出会ったロボットと小鳥の間に芽生えた友情と旅を描く短編「ロボくんとことり」デジタルリマスター版の豪華3本立てだ。

この日の舞台挨拶に登壇した野沢は、「ハルのふえ」でタヌキのお母さん役を担当。「銀河鉄道999」の星野鉄郎、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎、「ドラゴンボール」の孫悟空と、子どもから大人まで誰でも聞いたことのある声の持ち主ということもあり、会場からは歓声が上がった。

野沢は「同時上映で『アンパンマンが生まれた日』を上映しますが、実は、私も『アンパンマン』のレギュラーなんですよ。年に一回、“シチューおばさん”という役で出ています」と“アンパンマンファミリー”の一人として自己紹介。

そして「ハルのふえ」については「心が本当に温かくなって、泣ける映画なんです。親子の描き方が素晴らしくて、別れのシーンが本当に悲しかったです。やなせたかし先生の作品はたくさんありますが、この作品は今一番大切なことを描いていると思います。母親のハルは、息子のパルに自然の中にある葉っぱで笛を教えるんですよ。お金をかければ良いもんじゃない、という生きていく上での原点を描いていますね」とコメント。

また、「ハルは、私のお母さんにそっくりです。子どもにものを教える、というよりは、やりたいことがあったら自分で頑張りなさいと言う人でした。私は、下町出身なのですが、子どもの頃はご近所が皆家族みたいな感じでした。自分の家じゃないのに、夕方になると夕飯を一緒に食べて行きなさいって言ってくれるんですよ。そんな下町の温かさみたいなものが、今の子どもたちにも伝わっていくと良いですね」と、自身の幼少時の想い出と重ねながら、作品の魅力、見どころを語った。

「やなせたかしシアター」(配給:東京テアトル)は12月1日、全国ロードショー。

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