自分を“ひき逃げ犯”と勘違い、事故現場通過時に居眠り運転で記憶なく。

2012/09/26 14:09 Written by Narinari.com編集部

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中国で先日、ひき逃げ事故の容疑者として浮上した男性が、本当は無関係なのに自身が事故を起こしたと勘違いするという出来事があった。

中国紙燕趙都市報などによると、このひき逃げ事故が起きたのは7月3日、お昼頃のことだ。江蘇省鎮江市丹陽市雲陽鎮の湯甲村委員付近の道路で、葛さんが運転する三輪自動車に、後方から猛スピードで迫って来た赤い車が接触。このとき三輪自動車には葛さんのほかに息子と孫娘が乗車していたが、3人とも車から放り出され、結果、10歳の孫娘が亡くなるという痛ましい事故となった。

三輪自動車をはねた赤い車は、葛さんら被害者を放置して現場から逃走。警察はすぐにひき逃げ事故として捜査を開始すると、監視カメラの映像などから“蘇LY21XX”ナンバーの赤い車の持ち主が容疑者として浮上した。警察は捜査網を張りめぐらし、同日夜には問題の車の確保に成功。車のドアの右側に真新しいすり傷があることも確認したことから、所有者の呉という男性に事情聴取を行うことになった。

警察の取り調べに対し、呉は落ち着かない様子で、最初は事故に関してあいまいな返事をするのみだったが、警察署に連行後さらに追及されると、「自分がやりました」とついに容疑を認めることに。呉はその場で逮捕され、このひき逃げ事故の捜査は一区切り迎えたかに思われた。

しかし、警察がさらに捜査を進めていくと、不可解な点が出てきた。それは事故が発生した時間。事故発生は12時38分と認定されたが、呉の車が現場を通り過ぎたのは12時41分で、“3分間のズレ”が生じていたのだ。同時に、別動の捜査チームが事故の目撃者を発見。その証言から、目撃された赤い車と、呉の運転していた車が別のルートを走り去って行ったという事実が判明した。また、別のトラックの運転手から同様の証言が得られたことから、警察は別の赤い車が存在していると判断。捜査は振り出しに戻ってしまう。

それから約2か月間捜査は続き、ついに新たな“疑惑の赤い車”が捜査線上に浮上。9月18日午前6時、警察はその車を所有する金という男の身柄を確保し、取り調べにより、この男がひき逃げ事故の“真犯人”であること、前科持ちでもあることもわかった。取り調べに金は「事故当時、近くに誰もいなかったから逃げた」と語り、事故から2か月もして逮捕されるとは思ってもいなかったと驚いていたという。

そうなると不思議なのは、なぜ呉さんは、事故とは無関係なのに自らを“ひき逃げ犯”と認めてしまったのかという点。これについては、事件当日の前夜、呉さんは入院している父親を付きっきりで看病していたことからほとんど眠れず、頭が朦朧としていたと話している。交通事故現場を通りかかった際も居眠り運転をしており、横転している三輪自動車、路上に投げ出されている被害者に気付いたときは「自分がやってしまった」と思い込み、怖くて現場から逃げ出したのだという。

ちなみに、警察から証拠として突き付けられた車の傷についても呉さんには記憶がなく、いつ、どこでついたものなのか、全くわからないそうだ。

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