愛車楯に暴走車から子供守る、横断歩道侵入前に身を挺した男性に称賛。

2012/09/16 13:04 Written by Narinari.com編集部

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先日、カナダのある街で、横断歩道を渡っていた4人の子どもに向かって、猛スピードで車が接近。暴走車に気が付いた男性が自ら運転する車で行く手を遮り、結果、2台が衝突する事故が発生した。幸い男性や子どもたちにもけがはなく無事だったのだが、この一件が報道などを通して広く知られると、身を挺して子どもたちを守った男性に称賛の声が上がっている。

カナダ紙エドモントン・サンやカナダ放送局CBCなどによると、事故は8月31日午後4時25分ごろ、アルバータ州エドモントンにあるショッピングモール近くの道路で起きた。この日、自分が暮らすブリティッシュコロンビア州フォートネルソンから、両親がいるエドモントンを訪れていた46歳のダレル・クルシェルニツキさんは、買い物をする恋人をショッピングモールへ送り届けた。そして恋人を先に車から降ろしたとき、近くの通りに目をやると、危険な出来事が起きそうな気配を感じたという。

彼の目が捉えたのは、横断歩道を渡っていた3歳から16歳までの子どもたち4人。ところが直後、子どもたちが渡るのを見守るように停車している車の列の後方から、スピードを上げて近づく1台の車が現れた。よく見ると、ドライバーはケータイを使用しながら運転。制限速度を超えるスピードで停車する車を追い越して来たため、クルシェルニツキさんは即座に「悪いことが起きる」と感じたそうだ。そして万が一にも、暴走車が横断歩道の子どもたちに危険を与えないようにと、彼は自分の車を駐車場から道路に侵入させ、接近する車の行く手を遮ろうとした。

前方に注意を払っていなかった暴走車は、結局クルシェルニツキさんの車と衝突。彼の愛車ハマーは、前部が激しく壊れるなどの被害を受けたが、幸いにもドライバー同士にけがはなかった。さらにクルシェルニツキさんは、目の前で起きた事故のショックで動けなくなった子どもたちのもとへ急行。近くにあった教会の敷地内へ誘導して落ち着かせると、今度は暴走車のほうへと歩み寄ったそうだが、運転していた23歳の男も「動揺して我を失っていたように」ショックを受けていたという。

今回の彼の行動は、その後多くのカナダメディアによって報じられ、クルシェルニツキさんは一躍“ハマー・ヒーロー”として有名な存在に。Facebook上には、彼を称えるファンページまで開設された。

実際に助けてもらった16歳と15歳のカップルは、「彼がいなかったら、たぶん死んでいたと思う」と感謝。警察も「彼の行動が4人の命を救ったと断言できる。けがもなかったのは奇跡」と称賛し、市民栄誉賞に推薦する予定だとしている。

一方、注目の的となったクルシェルニツキさんは「子どもたちが無事だったのが嬉しい。事故の影響は車の修理だけだしね」と話し、当然の行動をしたまでと謙虚にコメント。そんなヒーローに嫌な思いをさせまいと、彼が加入する保険会社もメディアに対し「(クルシェルニツキさんは)事故の責任を負わない」と答え、修理代の保険適用を確約したそうだ。

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