今秋の婦人靴のトレンドは“おじ靴（おじぐつ）”――。甲の部分を覆う紳士靴の様式を取り入れた、いわゆる“おじさんの靴”をイメージさせる婦人靴に、注目が集まっている。

そもそも“おじ靴”は昨年、欧州ブランドの秋冬コレクションで多数登場したことから注目され始めた。その後、雑誌などでモデルが着用するなど、ファッション感度の高い女性の間で流行の兆しを見せ、今年はキャリア女性層向けの各ブランドからも、男性用のオーソドックスなビジネスシューズ「オックスフォードシューズ」タイプや、日没後の紳士用礼装靴「オペラシューズ」タイプ、甲に房飾りが付いたクラシックな雰囲気の「タッセルシューズ」タイプなど、各ブランドから約30種類の“おじ靴”が続々と登場している。

今年、婦人靴売り場にズラリと“おじ靴”を並べ、早くも秋の最盛期を迎えている小田急百貨店新宿店によると、“おじ靴”はパンプスなどオーソドックスな婦人靴と比べるとボリュームがあるため、相対的に脚がすらりと細く見えるのがポイント。そしてワンピースやミニスカートなどとコーディネートすると、男性的なイメージの靴が逆に女性らしさを引きたてるなどの理由で人気を集めているそうだ。

また、革製で、黒や茶など落ち着いた色合いが多く秋冬の着こなしとなじみやすいのも特長。この秋はそんな“おじ靴”にも注目してみてはいかが？