適量チョコで脳卒中リスク減、摂取が週50グラム増えるごとに14%減。

2012/09/05 14:37 Written by

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スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C. Larsson氏らは、中高年のスウェーデン人男性3万7,103人を約10年間追跡した研究を行い、さらに欧米の5つの研究を解析した結果、チョコレートを多く食べる人たちで脳卒中リスクが17〜19%低かったことを、8月29日付の米医学誌「Neurology」(電子版)に報告した。同氏らは「適度なチョコレート摂取で脳卒中リスクを下げることができるかもしれない」と結論している。

◎高血圧を持たない人で効果的

チョコレートに含まれるフラボノイドは、抗酸化、抗凝固、抗炎症作用などを介して心臓や血管の病気に対して予防的に働くと見られており、さまざまな研究結果が報告されている。LDL(悪玉)コレステロールの血中濃度を低下させる可能性もあり、さらに、チョコレートの消費が血圧を下げるという報告もあるという。

Larsson氏らは、1997年に45〜79歳のスウェーデン人男性を登録して開始した研究のデータを利用し、がんや心臓病、糖尿病にかかったことがある人などを除いた3万7,103人を対象とした。

平均10.2年間の追跡期間の中で、1,995人が脳卒中を発症。チョコレートを食べる量により、(1)週12.0グラム未満(中央値0グラム)、(2)週12.0〜19.5グラム(同12.5グラム)、(3)週19.6〜51.5グラム(同38.4グラム)、(3)週51.6グラム以上(同62.9グラム)―の4つのグループに分けて脳卒中発症リスクを比較した。

その結果、チョコレートを食べる量が最も多いグループの脳卒中リスクは、最も少ないグループと比べて17%減少した。高血圧の有無で検討したところ、高血圧を持つグループでリスクの変動が見られなかった一方、高血圧を持たないグループで24%のリスク低下が認められたという。

◎週50グラム増えるごとに14%のリスク減

さらにLarsson氏らは、今回の研究結果に加えて過去の4研究を対象にメタ解析を実施。チョコレートを食べる量が最も多いグループでは、最も低いグループに比べて脳卒中リスクが19%低下していた。チョコレートを食べる量が週50グラム増えるごとに14%のリスク低下が認められた。

同氏らはこれまでに、女性を対象にした研究でチョコレートが脳卒中リスクを低下させることを報告している。今回の研究結果で、男性でもほぼ同じ効果があることが分かったことから、「適度なチョコレート摂取で脳卒中リスクを下げることができるかもしれない」と結論した。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/09/04/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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