普段と変わらぬ何気ない日常の中でも、「まさか」と思うような危険な事故が起きることがある。中国のあるホテルでは先日、浴室で足を滑らせて転倒した宿泊客の背中に、蛇口の一部が突き刺さるという痛ましい事故が起きた。

中国紙銭江晩報などによると、この事故は8月21日、浙江省金華市武義県のあるホテルでのこと。宿泊客の男性が、友人と一緒に夜食を済ませて部屋に戻った矢先の出来事だ。

部屋に戻った男性はシャワーを浴びるため浴室に向かったが、友人は午前1時50分過ぎ、大きな悲鳴を耳にした。「何ごとか！」と思い男性のもとへ駆け付けると、男性は頭からシャワーを浴びたまま屈みこんでおり、床には真っ赤な血が広がっている。よく見ると、血は男性の背中から溢れ出しているもので、驚くことに蛇口の栓の先が背中に突き刺さっていたのだ。

友人はすぐに男性を助け起こそうとするが、激痛から動かそうにも動かせない。そのため、自分では助けられないと判断。警察に助けを求めた。

通報から約7分後、現場に消防隊員が到着したときには男性は顔面蒼白。きつくタオルを噛み絞め、激痛に耐えていた。下手に身体を動かすと背中の傷口がさらに開く恐れもあり、消防隊員は蛇口を切断することに。しかし、浴室は4平方メートル足らずの大変狭い空間だったことから、工具を使って少しずつ蛇口を切り落とすしかなかったという。

結局、作業に入って約5分後に蛇口は切断され、男性も病院に運ばれて一命を取り留めたが、救助にあたった消防隊員はこのケースに驚きを隠せないようだ。

隊員曰く「問題の蛇口はかなり使い古されて栓の一部が欠けており、先が鋭くなっていた」そう。男性はシャワーを浴びている際に足を滑らせて勢いよく後方に転倒、そのまま壁に当たり、突き出ていた蛇口の栓の上に落下したものと見ている。