エアロ新曲は“野獣系ロック”、解散危機からのバンド再結束を証明。

2012/08/28 14:12 Written by Narinari.com編集部

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エアロスミスの実に11年ぶりとなるオリジナル・アルバム「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション」(※当初予定の8月末から延期され、11月予定)発売へ向け、いよいよ本格的なカウントダウンが始まった。アルバムからの1stシングル「レジェンダリー・チャイルド」に続き、2ndシングルの「ラヴァー・アロット」("Lover Alot")のラジオオンエアなど一部解禁となったのだ。

「ラヴァー・アロット」は、70年代の若かりし頃のエアロスミスを彷彿させるアップテンポで攻撃的な“野獣系”ロックンロール。作詞・作曲はなんとメンバー5人全員の名がクレジットされており、おまけにドラムのジョーイ・クレイマーの息子ジェシー・クレイマーも名を連ねている。エアロスミスがメンバー全員で1つの曲を書くことは極めて珍しく、シングルでは初のこと。メンバーの不仲説、果てはバンドの深刻な解散危機にまで及んだ2年前の状況から見事に立ち直り、バンドが再結束したことを証明するかのような楽曲だ。

プロデュースを担当したのは以前から伝えられているジャック・ダグラス。70年代のエアロスミスの大ヒット・アルバム「闇夜のヘヴィ・ロック」「ロックス」なども手掛けた重鎮で、まさにバンドの“第一黄金期”を作った人物だ。往年のファン待望の“黄金タッグ”復活により、ワイルドなエアロスミスの魅力が再び引き出されている。

タイトルの「ラヴァー・アロット」は、もともとは「ラヴ・ハー・ア・ロット」(Love Her A Lot=彼女のことをめちゃくちゃ愛してる、の意味)だったそうだが、言葉遊びの天才スティーヴン・タイラーが、同じ響きでよりクールに見える綴りを発表直前に編み出し、急遽この表記なったという。残暑厳しい今年の夏、メンバー全員が還暦(最年長のスティーヴン・タイラーは64歳)を迎えた今もなお“肉食系バンド”であることがビンビンに伝わって来る一曲に仕上がっている。

なお、この2ndシングル「ラヴァー・アロット」は9月12日にiTunes、mora、レコチョクなどで配信がスタート。さらに10月には3rdシングル「ワット・グッド・ハヴ・ビーン・ラヴ」を発売することも決定している。こちらの楽曲は一変して、“秋”という季節感に合う、エアロスミスのもう1つの十八番のであるパワー・バラード作品になるということで、あの名バラード「ミス・ア・シング」級の大きな感動が期待できるそうだ。

そして、いよいよ11月7日(予定)には、全世界待望のアルバム「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション」が発売。40年にも及ぶキャリア史上、アルバム発売前に3枚のシングル曲を発表するのは今回が初めてで、おまけに2か月連続のシングル・リリースも初の試みだ。

また、スティーヴン・ タイラーは2シーズンにわたって審査員を務めた米人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」からの降板を先日発表したばかり。会見で「愛人(=番組)とは別れて初恋の相手(=エアロスミス)の元に戻ることにしたんだ」と相変わらず気の効いたコメントで語っているように、今まで以上にエアロスミスの活動に専念するとの報告は、ほかのバンド・メンバーはもちろんのこと、多くのエアロ・ファンをさぞかし安心させていることだろう。

さまざまなアクシデントやメンバー間の衝突などから、気が付けば11年のブランクができた。ライヴだけはほぼ毎年のようになんとか行なってきたものの、それが彼らを結び付ける唯一の、いつ千切れてもおかしくないギリギリの絆だったのだ。それさえも消滅しそうな時期を乗り越えた今だからこそ、ニュー・アルバム「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション」に対するバンドの並々ならぬ情熱と意気込みが生まれたのだろう。それが伺えるのが、今回の異例ともいえるアルバム発売前の3枚のシングル・カット。特にこの全員で書き上げた「ラヴァー・アロット」は、アルバム発売へのカウントダウンが開始されたことと同時に、原点回帰した“野獣エアロ”が完全に再結束したことを高らかに宣言するファンファーレと言えそうだ。

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