ミリオネア賞金で息子と再会、待望の渡航費用獲得で45年ぶりの対面。

2012/08/27 16:18 Written by Narinari.com編集部

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高い賞金額やさまざまな豪華賞品を売りにしたクイズ番組に出られるチャンスがあるなら、「出演してみたい」と思う人は多いだろう。それだけに、参加する機会を得られるだけでも幸運と言えるが、英国では最近、人気クイズ番組に出演したある女性がさらなる幸運を引き寄せたと話題を呼んでいる。女性は賞金を獲得したおかげで、45年前に別れた息子の住む豪州への渡航資金が捻出でき、待望の再会を果たしたそうだ。

英放送局BBCや英紙デイリー・メールによると、この女性は英南西部アングルシーで暮らす61歳のドーン・ハーキンスさん。彼女はこの夏、日本でもおなじみのクイズ番組「クイズ$ミリオネア」(フジテレビ系)の本家版、英放送局ITVの「Who Wants To Be A Millionaire?」に参加する機会を得た。そして出題された問題も順調に正解を重ね、最終的に7万5,000ポンド(約940万円)の賞金を獲得。こうして番組参加のチャンスを見事に活かした彼女は、賞金でさらに長年夢見た希望をも叶えたという。

遡ること今から45年前の1967年、当時15歳だった彼女は赤ちゃんを出産した。しかし、彼女が母親として子どもを育てるには若すぎた上に、その頃はまだ英国でも独身女性が子どもをもうけるのが「タブーだった」時代とあって、彼女の両親は“キース”と名付けた男の子を養子に出そうと決断。「口を出す立場になかった」彼女は両親の決断に従わざるを得ず、“キース”くんとは6週間だけ一緒に過ごし、別れを迎えた。

その後結婚し、2人の子どもをもうけて幸せな家庭を築いたドーンさん。そんな中でも、若かったが故に面倒を見られなかった“キース”くんのことをずっと心の中で思い、気にし続けていたという。

また、2人の子どもたちも別れた“兄”に対する母の気持ちは知っていたため、昨年、娘サマンサさん(41歳)は母の誕生日に合わせ、兄の行方を探してみた。すると捜索を始めてから3か月後、兄はマンチェスターの家族に引き取られて“グリン”と名前を変え、現在はオーストラリアで元気に暮らしている事実が分かったそうだ。

娘から話を聞いて大喜びの母は、「拒否されるかも」と覚悟しながらもすぐにグリンさんへ直接連絡を試みた。すると、彼も「私たち(ハーキンスさん一家)のことを知りたがった」と好意的な反応。これにより、45年ぶりに別れた息子との関係の再構築が始まった。

そうなれば、母としてはすぐにでも成長した息子の顔を見に行きたかったところだが、ブレーキをかけたのがお金の問題だ。彼女が暮らす英国から、息子のいるオーストラリア・ブリスベーンまでの渡航費用を捻出する余裕がなく、母の次なる目標はお金の工面となった。

そして今年、人気クイズ番組に出演して大金を獲得し、ついに最後の難関をクリアしたドーンさんは、出演して間もなくの7月に2人の子どもを連れてオーストラリアへ。3人は、妻に15歳と14歳の娘を守る一家の大黒柱となっていたグリンさんに迎えられ、初めて母子での水入らずの時を過ごしたという。

「長い時を経て母と会えたのは素晴らしかった」と話したグリンさんも、実母の存在を初めて実感できて大いに感動した様子。また、新たな家族が増えて喜ぶドーンさんも「オーストラリアが大好きになった」として、賞金を使って滞在を大幅に延長したそうで、長きに渡る空白の時間を埋めるべく、息子との親交をじっくり深めているようだ。

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