余命わずかの祖母に店が協力、末期がんの病床で求めた「最後のスープ」。

2012/08/23 15:49 Written by Narinari.com編集部

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末期がんで余命わずかとなった祖母の願いは、米有名チェーンの「クラムチャウダーが飲みたい」――。そんなリクエストを預かった孫の男性が先日、クラムチャウダーを買いに向かったのだが、実はこのクラムチャウダー、店で販売されるのは週に1回だけ。そのため、なんとかすぐに購入できないかと、彼は店に掛け合うことにした。

米放送局ABC系列WMUR-TVや米紙ナシュア・テレグラフなどによると、この男性はニューハンプシャー州ウィルトンで暮らす21歳のブランドン・クックさん。先日彼は、末期のすい臓がんを患い、病院で最後の治療を続ける祖母と話をした際に、食事の話題になって「パネラのクラムチャウダーが飲みたい」とお願いされたという。パネラは、おいしいパンが評判の米カフェチェーン店「パネラ・ブレッド」のこと。病院で出されるスープの味にほとほと参っていた祖母は、おいしいスープが飲みたいからと、パネラのクラムチャウダーを持ってきて欲しいと彼に頼んだのだ。

そして8月7日、祖母の願いを叶えるためにパネラへ行こうと考えたクックさん。しかし、通常店でクラムチャウダーが販売されるのは金曜日限定となっており、彼が行こうとした火曜日には売られていないメニューだった。その事情は踏まえつつも、時間に余裕がない彼は、ウィルトンに近いナシュアにある店舗へ電話し、特別に作ってもらえないかと相談を試みたそうだ。

彼が「とても変なお願いなのですが……」と切り出した電話を取ったのは、同店マネージャーのスー・フォティアさん。経緯を説明され、「すぐにクラムチャウダーを作ってくれないか」と懇願された彼女は、彼の事情を知って迷わず「大丈夫、作っておくから」と快諾した。それから急いでスタッフに用意するよう指示を出すと、彼女はプレゼントのクッキーも添えてスタンバイ。夕方、クックさんは特別注文の品を彼女から無事に受け取ることができた。

そんな店のスタッフの優しさも込められたスープを持って病院を訪ねると、祖母はじっくりと「10回くらい噛んで」味わっていたという。結局、祖母が口に食べ物を入れたのはそれが最後となり、現在は「モルヒネと水」に頼りながら懸命に闘病を続けているそうだ。

祖母の体力を考えると、もしかしたら間に合わなかったかもしれない状況の中、店の迅速な協力のおかげで願いを無事叶えられたクックさんは、その日のうちにFacebookを更新。「祖母のために尽くしてくれた、パネラの皆さんに本当に感謝したい」と、一連の経緯を書き込んだ。

すると、今回のエピソードはFacebook上で大きな注目を集め、「60万人以上」がシェアをして話が広まることに。そして、クックさんの祖母に対する思いや、躊躇なく協力した店の行動に「人情味がある」などと、多くの称賛の声が上がっている。

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