瀕死カメの頭咥えて人工呼吸、ペットの危機に外科医が咄嗟の行動。

2012/08/06 20:49 Written by Narinari.com編集部

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英国のある外科医の男性が先日、庭掃除をしている最中、水飲み場で動かなくなっているペットのカメを発見した。「いなくなるのは考えられない」というほどカメに深い愛情を注いでいた彼は、命を救おうと咄嗟の行動に出たという。

英紙デイリー・メールやサンなどによると、この男性は英南西部の街スウィンブリッジで暮らす34歳の外科医、ベン・ウォーターフォールさん。先日、庭の掃除を行っていた彼がふと目をやると、8歳のカメ“アトラス”が屋外に用意したコンクリート製の水飲み場で後ろ脚だけを外に出し、頭を水の中につけて動かなくなっていた。様子がおかしいと感じた彼が持ち上げると、アトラスは呼吸を止めた状態で「完全に力を失っていた」という。

ウォーターフォールさんにとっては、1年前から飼い始めたアトラスも立派な家族。2歳の息子ハリーくんと同様に、一緒に飼っている猫ともども大切にしてきたカメに起きた不測の事態を目の当たりにし、彼は一瞬「血の気が引いた」そうだ。そんなペットの窮地に、医者でもある彼は「8歳という若さで死なせるわけにいかない」と、自ら救命活動を始めた。

呼吸が止まり一刻を争うアトラスのために、彼は人間と同じように人工呼吸を開始。最近は事故などに遭遇した犬や猫に対し、人間の口やボンベを使った人工呼吸が行われる事例は少なくないが、カメとなると珍しいケースかもしれない。とはいえ、彼の手の上に乗る程度の大きさしかないアトラスに行うのは、当然ながら人間にするのとは全く勝手が違った様子。そこでアトラスの小さな頭全体をそのまま口の中へ突っ込むと、「鼻孔に向けて」息が入るよう人工呼吸を行ったという。

必死の人工呼吸が行われること、約6分。飼い主の愛情が通じたかのように、アトラスはやがてゆっくり自発呼吸を始めると、「まばたきをして」意識の回復を知らせてくれた。とりあえずペットを窮地から救ったウォーターフォールさんは、医者らしく冷静に検査を行ってもらおうと近くの動物病院へ急行。幸いアトラスは抗生物質の投与のみで済むほど落ち着いた状態で、事情を聞いた獣医は人工呼吸を行った彼に「よくやったな」と言って笑ったそうだ。

「初めての経験」というカメへの人工呼吸で、今回は事なきを得たが、カメに限らず犬や猫など動物と口で接触した場合、細菌感染によって人間の健康状態に影響を及ぼす可能性も否定できない。その点には充分に注意をお忘れなく。

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