競泳金の2選手にとんだ災難、中国で勝手に商標登録出願が発覚。

2012/08/05 12:03 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


全く関係のない第三者が勝手に登録出願し、後にトラブルになるケースが相次いでいる中国の商標問題。中国内だけでなく、諸外国の企業、製品、地名、人名などさまざまなモノがその被害に遭っており、そうした被害の報告例は日本でも少なくない。そんな中国でこのほど、ロンドン五輪で金メダルを獲得した競泳選手2人の名前がすでに商標登録が出願されていることがわかり、注目を集めている。そのうちの1人に至っては、3か月後には正式に登録商標になる段階まで来ているそうだ。

中国紙新聞晨報などによると、この2人は孫楊選手と葉詩文選手。孫選手は400メートル自由形と1,500メートル自由形で、葉選手は400メートル個人メドレーと200メートル個人メドレーでそれぞれ金メダルを獲得した中国のスター選手だ。葉選手については400メートル個人メドレーのタイムが男子を上回っていたことからドーピング騒動に巻き込まれ、日本のメディアでも大々的に報じられたことから、その名を記憶している人は多いかもしれない。

そんな2人のスター選手の名前を商標として、登録出願されていることが明らかになったのは8月3日のこと。“葉詩文”は四川省の成都花博草園芸有限会社に、“孫楊”は河南省の河南鴻盛健康産業服務有限公司にそれぞれ昨年の段階で申請されており、どちらの企業も商品区分は水着やスイムキャップなどの水泳用品だった。ただ、成都花博草園芸有限会社については、2006年に法人登記した際の業務範囲が園芸用品と記されており、もともと水泳用品とは縁のない会社ということも明らかになっている。

この件の見解を求められた弁護士は「“葉詩文”はすでに商標登録出願の初審査定を通過しており、異議を出す人もいなかったことから考えると、合法性があったものと思われる」とコメント。一方で「人名を商標登録することは、今後、トラブルが生じる可能性が極めて高い」とし、こうした問題に巻き込まれた当事者、特に有名人は、商標局に異議あるいは登録商標の取り消しを訴えることができ、自身の姓名権を保護することができるとも話している。

なお、中国の商標局に商標登録を出願する際に必要な費用は、1件1,000元(約12,000円)前後とされており、代理業務会社に支払う手数料を合わせても1,500元(約18,000円)程度しかかからないため、転売目的で商標登録をする個人や企業が後を絶たない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.