余命宣告の夫に“善意のウソ”、検査結果改ざんし希望持たせる。

2012/07/23 17:06 Written by Narinari.com編集部

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愛する家族が医師から余命宣告されたとき、残される人たちはどのように振舞い、そしてどのように対処すれば良いのだろうか。中国ではこのたび、末期がんを患う夫の検査結果を、15か月にわたって改ざんしていた妻が話題を呼んだ。夫は毎月症状が改善しているとの“ウソ”の検査結果を信じて前向きになり、余命宣告よりも長く生きることができたという。

中国メディア新快網などによると、林芸さん(仮名)は19年前、浙江省杭州で夫となる祝偉さん(仮名)に出逢い、その後結婚。2人の結婚生活はケンカというケンカがないほど仲むつまじいものだった。

そんな2人に悲しい知らせが届いたのは一昨年のことだ。祝さんは検査で肺がんと判明し、すぐに手術。ところが病状はかなり進んでおり、医師からは「あと数か月の命」と余命宣告を受けた。

この知らせに本人はもちろん、妻の林さんも悲嘆。40代にして夫がこの世を去るという事実は、林さんには到底受け入れられることではなかった。

しかし、林さんは悲しみに暮れながら、ただ夫の死を待ちたくはなかったという。がん治療には何よりも「気持ちが大切」と聞かされた林さんは、奇跡を信じ、以後の検査結果を改ざんするという大胆な行動に出た。当時、祝さんは毎月1回定期検査を行っていたが、新しい検査結果が出るたびに、林さんはコピー店を訪れては従業員の助けを借り、数時間かけてデータを改ざん。少しずつ症状が改善しているかのような検査結果を夫に手渡すことにした。

すると、余命数か月と宣告されて暗い顔をしていた祝さんの表情は徐々に明るくなり、前向きな気持ちが戻って来たそう。生きる希望がわき、妻と再び人生を歩むことができるという喜びが満ち溢れ、闘病生活は当初よりもかなりラクなものになったそうだ。また、この“善意のウソ”により、余命数か月とされた祝さんの命のともしびが消える日は、1年近くも先伸ばしとなった。

そして6月はじめ、祝さんは林さんに見守られながら他界。それから約1か月が過ぎたが、林さんはいまだに「夫と別れた気がしない」と胸の内を明かしている。毎朝出勤前に祝さんのためのお茶をいれ、祝さんが好きだった音楽をかけてあげることが日課。2人で生活していたときと同じように、夜テレビを観ていると、すぐ隣に祝さんがいるような気持ちに陥るという。林さんは毎日自身の微博(中国版ツイッター)で祝さんの思い出を書き記しているが、それは「天国にいる夫が孤独にならないように」との林さんの心遣いだという。

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