“甘味料で減量”科学的根拠は、米国で代表的な甘味料6種類を検討。

2012/07/20 15:28 Written by

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糖分の取り過ぎが問題となっている米国で、その代替品として普及している非栄養性甘味料(糖類以外の天然甘味料と人工甘味料、以下甘味料)。米国心臓協会と米国糖尿病学会は、甘味料に関する合同声明を7月9日付の米医学誌「Circulation」(電子版)と米医学誌「Diabetes Care」(電子版)に発表した。声明では、「糖類を甘味料に代えることが減量や血糖管理に有用とするエビデンス(科学的根拠となる研究結果)は十分ではない」とした上で、「甘味料をうまく使うことで糖類の摂取量を抑え、それにより減量や血糖管理などの有益な効果につながる可能性がある」と結論付けている。

◎米国で代表的な甘味料6種類を検討

米国心臓協会では、2001〜04年の米国人1人当たりの糖類摂取量は1日355キロカロリー(スプーン約22杯分)に相当するなどとして、2009年に発表した声明では1日の摂取量の上限を成人男性で150キロカロリー(同9杯分)、成人女性で100キロカロリー(同6杯分)と提唱した(米医学誌「Circulation」2009; 120: 1011-1020)。

そこで、糖類の代替品として甘味料の有用性を検討する専門委員会(委員長=米スタンフォード大学・Christopher Gardner氏)が設置され、代表的な甘味料についてこれまでの文献を評価した。対象となった甘味料は以下の6種類。

・アセスルファムカリウム
・アスパルテーム
・ネオテーム
・サッカリン
・スクラロース
・植物性甘味料

◎週0.2キロの減量効果

6種類の甘味料について体重、心筋梗塞などの冠動脈疾患、糖尿病・血糖反応などに関する有用性を検討した結果、体重については多くの文献で甘味料を使用した飲料や食品に代えることで減量などの影響が認められた。一例として、糖類を人工甘味料アスパルテームに代えたところ、1日220キロカロリーが抑制され、週0.2キロの減量効果が12週間にわたって確認されたという。

一方、冠動脈疾患については人工甘味料との関連が認められず、人工甘味料入りの飲料でも炭酸入りでない場合は発症リスクが上昇していたことが報告されている。これらを考慮して同委員会は、甘味料と冠動脈疾患リスクについては依然としてエビデンスが不十分と結論した。

また糖尿病については、加糖飲料では発症リスクが認められた一方、人工甘味料では個人の健康状態や糖尿病関連の家族歴など、個人差によるとの見解を示した。

以上のことから、同委員会は「(甘味料を)うまく摂取することにより、糖類の摂取量を抑え、総摂取カロリーの減少や減量につながり、血糖管理などの有益な効果を生む可能性がある」と結論付けている。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/07/13/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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