なでしこジャパンの澤穂希選手(33歳)が7月6日、神戸で行われた宮沢賢治原作のアニメ映画「グスコーブドリの伝記」の公開記念前夜祭イベントにサプライズで登場した。
「グスコーブドリの伝記」は、美しきイーハトーヴの森が舞台。主人公の愛と勇気を、名作「銀河鉄道の夜」のチームが5年の歳月をかけて描いたファンタジー大作だ。監督・脚本は「銀河鉄道の夜」「あらしの夜に」などの杉井ギサブローが務め、声優は小栗旬や忽那汐里、柄本明らが担当、主題歌は小田和正の「生まれ来る子供たちのために」が起用されている。
この日のイベントには、青い浴衣姿でステージに登場した澤選手。先日、ロンドン五輪の代表メンバーに選出されたが、「来週の月曜からなでしこメンバーが集合するので、全員が集まると緊張しますが、オリンピックに集中できる環境になります」と、まずは“選手の顔”を覗かせた。
そんな多忙を極める澤選手がこのイベントに駆けつけたのは、「実は、この映画のプロデューサーが私の叔母にあたる渡邉桐子さんなので、応援にきました!」とのこと。映画の見どころについて聞かれると、「とにかく感動する映画であって、本当にどんな困難があっても、それを乗り越えて、前向きに進む勇気に、すごく感動しました」と、心打たれたそうだ。
そして、同作の中で主人公のブドリがいろいろな仕事をすることにちなみ、「もし、澤選手がサッカー選手ではなかったら?」と質問されると、「たぶん無理だとは思うんですが、興味があるのは、弁護士です。かっこいいじゃないですか。絶対無理ですけど(笑)。弁護士の友達がいたりするので、憧れますね」と、意外な(?)回答。
また、映画の中で描かれている“兄弟愛”に話が及び、澤選手と兄との仲について聞かれると、「サッカーを始めたきっかけも兄の影響なんです。今でもとても仲が良くて、よくご飯も一緒に行ったりします。中学校以来、喧嘩したこともないですね。いつも兄の後ろをついていって、一緒に遊んでもらっていましたね」と、“兄弟愛”あふれるエピソードを披露した。
さらに作中の家族が食事をするシーンにちなみ、澤選手の“パワーの源”となる食べ物の話になると、「やっぱり、お寿司ですね!白身魚が特に好きです。大きい大会の前か、帰ってきてからは、必ず食べますね。あとは、母が作ってくれる茶碗蒸しは、やっぱりパワーになりますね!」と語った。
最後は「あと3週間でロンドンオリンピックが始まります。私たちもチーム一丸となって、みんなで一生懸命がんばって一番輝く色のメダルを獲れるように頑張りたいと思いますので、皆さん、ぜひ応援のほうをよろしくお願いします」と決意を表明し、イベントを締めくくった。
映画「グスコーブドリの伝記」は7月7日(土)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。
☆「グスコーブドリの伝記」ストーリー
少年ブドリは、美しきイーハトーヴの森で、両親と妹のネリ
と毎日を幸せに楽しく暮らしていた。
ところが、突然やって来た冷害でブドリはひとりぼっちになってしまう。
あてもなく旅に出たブドリは、イーハトーヴ市を訪れ、懸命に働き、
逞しく成長してゆく。だが、あの寒さが再び忍び寄ろうとしていた。
「あんなことは二度とあってはいけない。
ボクにも、できることがきっとある」。
愛する故郷と大切なみんなを守るため、ブドリはある決意をする。