幻想的で繊細“卵の殻”アート、1作品平均3,000個の穴で図柄を表現。

2012/06/19 03:05 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


身近な素材を使って芸術作品を作り上げるアーティストは少なくありませんが、スロベニアのフランク・グロムさんも、卵の殻という、いかにも日常にありふれた素材で作品を創り上げる芸術家の一人。彼が生み出す幻想的で繊細な作品が注目を浴びています。

英紙デイリー・メールや米ニュースサイトのハフィントンポストなどによると、現在72歳のグロムさんは、首都リュブリャナ近郊のスタラ・ヴルュフニカ村で18年前から卵の彫刻を作り始めました。彼の作品は、まず、卵に小さな穴を開けて中身を取り出した後、その殻に1作品平均3,000個もの小さな穴を、極細のドリルで掘り続けるという気の遠くなるような作業を経て、ようやく完成します。

グロムさんの作業は1日に約10時間。集中力が続く限り行い、手元が狂うことはほとんどありません。また、作品によっては穴を貫通させるだけでなく、途中までしか掘らないことで殻の表面に凹凸を付け、中から光を当てると透かし彫りのように見える技法も用います。実に幻想的なのです。

彼の母国には卵の殻に豪華な装飾を施す伝統的なイースターエッグがありますが、飾りを加えるのではなく、「あえて削ることで彫刻のように仕上げたのは前例がないね。僕のオリジナルだよ」と、同国の伝統工芸に新たな風を吹き込んだと自信を示しています。その作品は世界的にも注目を集め、これまでに日本を含め、ドイツやインドなどでも展示会を行っているそうです。

ちなみに、長いときは数か月もかかって完成する作品たちは、1個につき500ドル(約3.94万円)前後の値段が付くそう。それを高いと見るか安いと見るか、皆さんはどう感じますか?

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.