暴風で地上の飛行機ユサユサ、何度も繰り返し機首を持ち上げられる。

2012/05/30 18:49 Written by Narinari.com編集部

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数百トンもの重さがある大型飛行機が空を飛べるのは、強力な推進力によって揚力が生まれるから。つまり、地上で動いていなければ、その機体はちょっとやそっとでは動かせない巨大な鉄の塊となるわけだが、先ごろ米国では自然がもたらした驚きの光景が撮影され、話題を呼んでいる。ある空港に駐機していたボーイング機が、辺りを襲った暴風にあおられてしまい、機体前部がユサユサと持ち上げられているのだ。

この動画はYouTubeに5月24日付で投稿された「Amazing video of 747 lifting in place in extreme wind conditions - 1080P HD」(//www.youtube.com/watch?v=cHhZwvdRR5c)。投稿者の説明によると、映像はカリフォルニア州にあるモハーベ空港で、5月23日に撮影された。当時一帯は悪天候に見舞われ、「時速70マイル(約112キロ・秒速約31メートル)」という暴風に襲われたという。動画はそんな暴風がもたらした驚くべきワンシーンを捉えたものだ。

カメラが向けられているのは、滑走路上に駐機している「サザンエアー」と書かれたボーイング747型機。絶え間なく聞こえて来る音と、時折舞い上がる砂煙だけでも風の力がよく分かるが、この飛行機の動きを見れば一目瞭然だ。まともに暴風を受けた無人の飛行機が、まるで離陸するかのように機首を持ち上げられてしまっている。

しばらくすると、吹きやまぬ暴風のせいで飛行機はずっと機首が浮いた状態に。接地し続ける後輪を軸に、機体が左右に振られている様子も分かり、その光景は風向きを指し示す大きな風見鶏のようだ。実際には、画面で見ている以上に機体があおられていたようで、投稿者の説明では、暴風の後に飛行機を確認すると当初の位置から「45度動いていた」という。

こうした現実を見せられると、悪天候の際に飛行機を利用するのが怖くなる人もいるかもしれない。しかし、今回撮影された現象は、実はこの飛行機だから起きえた事情があるそうだ。

別名“飛行機の墓場”とも言われるモハーベ空港は、解体を予定されている飛行機が数多く集まる場所で、撮影された機体もその1つだった。エンジンなど多くの装備が取り外され、通常の機体よりもかなり軽量に。そのため、この飛行機だけ風にあおられてしまったというわけだ。

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