強盗に遭った日に自分も強盗、あまりの貧しさから強盗の仲間に。

2012/05/30 15:56 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨年、中国で強盗被害に遭ったある男性が、強盗に差し出すお金がなかったことから、強盗の仲間入りをするという妙な出来事があった。男性はその後強盗に加担したことで、警察に逮捕されたそうだ。

中国メディア華商網などによると、事件は昨年11月27日に起きた。当時20歳の楽楽(仮名)は同日22時ごろ、陝西省西安市高新技術開発区にある橋の近くで2人組の強盗に遭遇。一人は軍、もう一人は竜(ともに仮名)で、警棒を武器に楽楽を脅してきたという。

楽楽はそのとき仕事がなく、持ち合わせのお金はわずか3角(10角で1元。1元は約13円)。銀行カードは持っていたが、口座にもまったくお金が入っていない状態だった。しかし、そんな楽楽の事情を知らない強盗2人組は、人通りが少ない暗い場所に「カモがきた」と思い、楽楽の通行を遮って「タバコはないか?」と声をかけた。

楽楽はタバコを持っておらず「ありません」と答えると、2人組の態度は一変。持っていた警棒を楽楽の腰に当て「強盗だ、金を出せ!」と脅し始めた。しかし、楽楽のポケットから出てきたのはわずか3角という微々たるお金。3角ではタバコ一箱さえも購入できない。2人組は「これだけしかないはずはない!」と言わんばかりに楽楽を脅し続けたが、出てきたのは結局、3角と銀行カード1枚、そして身分証だけだった。

この楽楽のあまりの困窮ぶりに驚いた2人組は「こんなに貧しいなんて……。一緒に強盗をやろう」と勧誘。もちろん楽楽は渋ったが、実際にお金がない上に夢も希望もない。また、「断れば河に落とす」と2人に脅されたことから、最終的には強盗への加担を決意。3人組として、河の近くで新たな「カモ」を見つけることにしたのだという。

すると、しばらくして3人が待ち構える“危険な場所”に、2人の人物が通りかかる。そのとき、時間はすでに23時を回っており、通行人はますます少なくなっていた。

3人は楽楽が現れたときと同じように、「タバコはあるか?」と声をかけて2人の足を止め、行動に出る。軍がまず声をかけ、その間に竜と楽楽が背後に回り、そして警棒を取り出す。「金を出せ!」と脅すと、1人はスタコラと現場から逃走。しかし、もう1人は逃走できず、軍は警棒で男性を殴って現金100元(約1,300円)とノキアのケータイを奪い取った。

3人は金品を奪った後、すぐにタクシーで現場を後にあとにしたが、結局、その日の深夜にはあっさり逮捕されたとのこと。なお、この事件の審理は先日行われ、近いうちに判決が言い渡されることになっている。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.