特進クラスのみエアコンで物議、普通クラスの学生は「自腹で買う!」。

2012/05/21 11:01 Written by Narinari.com編集部

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学生数が多い中国では、基本的にほとんどの学校で学力に基づいたクラス分け(重点班と普通班)が行われている。重点班というのは日本で言う特進クラスのようなもので、普通班は文字通り普通クラスのこと。学期末テストや年一回の学力試験などの結果を判断材料に、どちらかのクラスに振り分けられるのが一般的だ。そんな中国で先日、ある高校の重点班と普通班で“待遇格差”があることが発覚し、物議を醸している。

中国紙銭江晩報などによると、問題が指摘されているのは広東省深セン市羅湖区のある高校。同校に通う阿平さんの話では、4つの重点班にはエアコンが設置されている一方、7つの普通班には1台もエアコンが設置されていない。普通班には天井扇(天井に取り付けるタイプの大型扇風機)が備え付けられているのみだ。

阿平さんが納得できないのは、最も優秀なクラスにはエアコンが4台、そのほかの3つの重点班にはそれぞれ2台ずつエアコンと、充実の設備が用意されているにも関わらず、普通班には1台もエアコンがない点。亜熱帯海洋性気候に属する同地では、夏場は大変蒸し暑くなる。そのため、普通班の学生から「差別」「不公平」といった文句が噴出するのも仕方がないのかもしれない。

しかし、学校側は「学校の資金も限られている。エアコンは徐々にほかのクラスにも設置していく」として、すぐに取り付ける意向はない様子。阿平さんら普通班の学生はこの対応に腹を立て、「自腹でエアコンを設置する!」とまで言い出しているというが、学校側は「電気代がかさむ」としてこれも拒んでいる。すかさず学生側が「電気代も負担する」と表明しても、やはり学校に設置を拒否され、議論は平行線のままだ。

この一件には一部保護者からも不満の声が漏れており、今後の学校の対応に注目が集まっているが、重点班の担任の一人は「この時期はまだそれほど暑くない。それに、学生はどのような過酷な環境であろうと、勉学に勤しむ不屈の精神を養わなければならない」と学生や保護者の反発は筋違いとしている。なお、仮に学生が自腹でエアコンを設置した場合には政府から処罰される可能性もあり、学校側としては絶対に受け入れられないそうだ。

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