心臓移植待った2人が交際発展、心臓と恋心の2つの“心”を手に。

2012/05/17 09:35 Written by Narinari.com編集部

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動かなくなれば命の終わりを意味するだけに、もし心臓に問題を抱えたとなれば、誰もが計り知れないショックを受けるだろう。しかし、そうした状況が幸せを掴むきっかけになったケースもあるというから、人生とは本当に分からない。米国で先日、幸せな時間を過ごしているある若いカップルが注目を集めた。彼らは共に心臓に問題を抱え、移植手術を行うために入院していた病院でたまたま出会い、互いに意気投合。交際へ発展したそうだ。

米放送局ABC系列KTRK-TVやKPLR-TVなどによると、この2人はテキサス州ヒューストンで暮らす、19歳のジョーダン・マレッカ君とリンダ・ティボドーさん。心臓に問題を抱え、テキサス子ども病院で移植手術を待っていた2人が初めて出会ったのは2011年5月のことだった。待ち詫びた心臓が提供される目途が付き、医師は検査でマッチすると判明したティボドーさんへの移植を決定。同時に医師は、状態の思わしくないマレッカ君に、人工心臓をつける決定も行った。

こうしてほぼ同じ時期に同じ病院で新たな心臓を手に入れた2人。病院の理学療法士と看護師は、そんな似た境遇の2人が「ぜひ会うべきだ」と考え、互いへ話を持ちかけてみた。そして病院の廊下で待つマレッカ君のもとへ、看護師らが「マスクなどすべての器材」を付けた彼女を病室から連れ出し、初めて対面させたという。彼女と話をしてみた彼は、このとき出会ったばかりの若い男女によくある「ぎこちない感じ」だったことを覚えているそうだ。

しかし話が進むにつれ、これまでに苦しんできた体験など多くの共通点を持っていると分かり意気投合。「同い年で、自分と同じ経験をしてきた人にはこれまで会ったことがなかった」と驚いたティボドーさんは、当時の気持ちを「私の経験を理解してくれる人が見つかって、本当に嬉しかった」と振り返っている。一方の彼は、新たな心臓を得てこれから「普通の生活を送れる」ようになっていく彼女に“希望”を見出したという。

以来親交を深めていった2人の関係は、2011年10月の出来事により大きく進展。“人工心臓で生きる18歳(当時)”として一時全米でも注目を集めたマレッカ君だったが、容態が悪化の一途を辿っていた最中、ようやく移植される心臓が見つかり、彼の体にも本物の心臓が移植されることになった。話を聞いたティボドーさんは自分のことのように喜んだという。出会ってから5か月間、2人は励まし合って時間を過ごす間に、新たな心臓と共に、相手を愛する“心”も見つけていた。

その後マレッカ君の容態も回復し、元気になった2人は交際を開始。マレッカ君はエンジニアの道を、ティボドーさんは歯科医の道を目指すべく、いま2人はお互いを支え合いながら、将来の夢に向かって頑張り、幸せな時間を過ごしている。同じ苦しみを味わってきたからこそ「薬を飲まなきゃと思い出させてくれる」相手の存在に満足していると話す2人。最初から協力して大きな壁を乗り越えた2人なら、これから直面する幾多の問題も難なくクリアしていけることだろう。

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