“皿洗い用アフロ人形”が物議、ヘアー部で洗う形に「次はトイレか」。

2012/05/05 09:39 Written by Narinari.com編集部

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アフロヘアーと言えば、黒人文化から世界へ広がった髪型だが、英国では今、このアフロを巡ってちょっとした問題が起きているという。あるおもちゃメーカーが人形のアフロ部分をスポンジにした“皿洗い用人形”を販売したところ、人権活動家が「人種差別」と抗議し、物議を醸している。

英紙デイリー・メールやデイリー・スターなどによると、問題になっているのは、英おもちゃメーカーのパラドーンが製造・販売している皿洗い用の人形。同社は「日常の仕事である皿洗いをもっと楽しんでもらおう」とのコンセプトで、髪の毛をスポンジにした皿洗い用人形を8ポンド(約1,000円)で発売している。人形にはモヒカンの髪型をした「パンク」など4種類があり、これまでに総計「数十万個を売り上げた」ヒット商品となっているそうだ。ただ、シリーズの中にアフロの髪型をしている「ディスコ」と「ディーバ」という人形もあり、今回この2つの製品を「人種差別」と訴える人が現れた。

異議を唱えたのは、英国で反ファシズムと反人種差別を掲げて活動しているウェイマン・ベネットさん。黒人として英国社会で長年にわたり“反人種差別”を訴える活動に身を捧げてきた彼にとって、黒人をモチーフにしたアフロ人形が、ユーモアとして皿洗いの道具にされるのは我慢ならなかったようだ。デイリー・メール紙に対し、彼はアフロで皿を洗う人形が黒人への「ネガティブな固定概念や考えを強める」との懸念を示している。

また、ベネットさんはアフロ人形のコンセプトを理解しつつも「ユーモアを追求したとしても、面白くないこともある」とばっさり。英国社会から人種差別的イメージを取り払うのに「40年かかった」と、人々の見方を変えさせる難しさも力説した彼は、黒人に見立てた人形で皿洗いする発想が大いに不満だそうで、「次はトイレのブラシに使われるのか?」という言葉からは、少なからぬ彼の怒りが感じられる。

ヒット商品に異議を唱えられたパラドーン社だが、現在のところ彼の意見に対して特別な対応をする予定はない様子。ただ、ユーモア溢れる製品作りを得意とするこの会社では、先日タイタニック号を似せて作った風呂栓の商品が、事故で親族を亡くした男性の怒りを買い、謝罪に追い込まれるという事態もあった。デイリー・メール紙に寄せられた270件以上のコメントを見ると、多くのネットユーザーは人形の面白さに理解を示しているようだが、今後は心を痛める人が現れないよう、もう少し各方面に配慮をした製品作りを心掛けたほうが良いのかもしれない。

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