ボタン恐怖症の悩み抱える母、幼い頃に遊んだゲームでトラウマに。

2012/04/30 12:36 Written by Narinari.com編集部

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ごくごく普通に世の中に溢れているモノでも、偶然の出来事がトラウマとなり、それに対してどうしようもない恐怖を感じる人がいる。英国で娘と幸せに暮らす30歳の女性も、そんな恐怖症を抱える1人だ。彼女は子どもの頃にあるゲームをしてから“ボタン”に対して恐怖を感じるようになったという。現在、服はすべてジッパーが付いた物を買うほど徹底。11歳の娘にはイタズラされ、ボタンを見せられては驚いて逃げるというから大変だ。

英紙デイリー・メールやサンなどによると、“ボタン恐怖症”に悩まされているのは英中部の街ニューカッスル・アップオン・タインに住むルイーザ・フランシスさん。彼女は7歳のとき、あるゲームがきっかけで、現実のボタンを見るだけで恐怖を感じるようになった。ジーンズに使われるような金属製のボタンは大丈夫だが、服や小物に見られるプラスチック製のボタンはアウト。もし触れたりでもしたら、その感覚すらも嫌悪感を覚え「強迫的に触れた部分を掻いてしまう」という。

それほどボタンが嫌いながらも、一児の母として毎日の生活を送らなくてはならない彼女。自分だけでなく、娘の生活にも気を付けなくてはいけないのだから、ボタンを避け続けるのはなかなか容易ではないようだ。日ごろ洗濯をするのはもちろん彼女の役目。だから娘のボビーちゃんがボタン付きの服を買うことは一切認めていない。万が一、家族や友人がボビーちゃんにボタン付きの服を買ってきたら、すぐに服からボタンを取ってしまうそうだ。

「ボタンが私に害を与えないことはもちろん分かっているけど、あの形や感触で本当にパニックになるの」と話すルイーザさん。頭では問題ないと理解していても、それだけでは解決できない幼い頃のトラウマが、今も彼女を苦しめている。スーパーへ買い物に行ったあるときは「最悪」な思いもしたことも。品物を出して精算してもらっていると、彼女はレジの店員がいずれもボタンが付いた「ブラウスにカーディガン」という格好をしていることに気が付いた。しかもブレスレットまで「ボタンで作られた」というオンパレードぶりに、恐怖が絶頂に達してしまった彼女は、周囲の目に気付きながらも何も買わず立ち去らざるを得なかったという。

そんな彼女にとって、茶目っけたっぷりな娘のちょっかいも頭が痛いところ。学校から帰って来たボビーちゃんは、時折ドアを開けて出迎えた母に対して、持っていたボタンを見せびらかすイタズラを仕掛けるそうだ。こうなると母は「悲鳴を上げて、しばらくリビングの隅で縮こまる」と言い、面白がるボビーちゃんを家族が諌めてやっと落ち付くという。それでもこの娘のイタズラは、強烈ながらも少しは母のリハビリに役立っているそうで、今では「冗談を言えるようになった」と成長もあるようだ。

それでも「まだ不快に感じる」と、ボタン恐怖症を克服するには厚い壁が立ちはだかっているルイーザさん。ただ、変わった物に対する恐怖を感じる自分の経験を「ほかの人にも役立てたい」と、彼女はいま、同様の恐怖症で悩む人を手助けするカウンセラーになろうと勉強を重ねている。知識を増やして同様の人と出会っていけば、自分を冷静にコントロールする術を掴むきっかけも何か見つかるかもしれない。そしていつか、ルイーザさんとボビーちゃんがボタンに捉われず、着たい服を選べるようになって欲しいものだ。

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