「タブタニック」に遺族が激怒、風呂栓が“沈没”想起で「不愉快」。

2012/04/17 14:47 Written by Narinari.com編集部

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かの有名な豪華客船タイタニック号の沈没事故から、4月15日で100年を迎えた。それに合わせて出港地の英国では航路をたどる追悼クルーズや記念式典が行われるなど、いま再び脚光を浴びている最中だが、そうした中には関係者にとってあまり嬉しくない話もあったようだ。ある遺族が最近、タイタニック号に似せた風呂栓が発売されていることを知り激怒。メーカーが謝罪するという出来事があった。

英紙サンや米放送局ABCなどによると、問題となったのは風呂栓のチェーンに、タイタニック号に似せたおもちゃの船が付けられている、その名も「タブタニック」。製造したおもちゃメーカーのパラドーンによると、この商品は価格4.99ポンド(約640円)で、2009年から発売しているものだという。パラドーン側は、この栓を「有名な沈没シーンを再現してください」と宣伝しており、利用者にちょっとした入浴の楽しみを味わってもらおうと考え出したようだ。

発売開始から数年間、特に問題は起きていなかったが、最近になってこの風呂栓の存在を知り、怒る人が現れた。タイタニック号の出港地であるサウサンプトンで暮らす79歳の男性、ロン・ウィリアムスさんがその人。彼はこの商品の存在を「不愉快だ」と話すと、「多くの人が亡くなった船を利用して、お金を儲けようと考えるのはひど過ぎる」と怒りを露わにしている。

たかがおもちゃと言えども、ウィリアムスさんが「タブタニック」に怒るにはきちんとした理由があった。なぜなら彼は、叔父が26歳のときにタイタニック号へ乗船して帰らぬ人となった、遺族の1人だったから。そのため彼にとっては、悲劇の船であるタイタニック号を商品として利益を得ようとするのはおろか、沈没を容易にイメージさせる風呂栓としてのアイデアに納得がいかなかったようだ。

ウィリアムスさんの怒りに対し、パラドーン側は「目新しい商品として考え出しただけ」と釈明した上で、「怒る人がいるとすれば、申し訳ないと思う」と謝罪のコメントを発表。しかし一方で「多くの消費者から商品として認められている」とも話し、発売中止など特別な対応を現時点で取るつもりはないようだ。映画の大ヒットなど、今では世界的な有力コンテンツの1つとなっているタイタニック。しかし風呂栓として利用したのは、遺族や関係者に対する配慮がいささか足りないと言われても、仕方がないのかもしれない。

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