究極のチャイルドシート開発、事故時に包み込み赤ちゃんの身を保護。

2012/04/16 12:32 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


英国のある技術者が今、飛んでくる物や火災など、事故の際に想定しうる危険から可能な限り身を守る“究極のチャイルドシート”の開発を進めている。赤ちゃんが亡くなった事故の話を消防士から聞いたことがきっかけで開発を始めたこのチャイルドシート、現在は2013年の発売に向けて試験を重ねている段階だ。

英紙デイリー・メールや英情報サイトAOLオートブログによると、この製品はクール・テクノロジーズ社のデザイナー、ジュリアン・プレストン-パワーズさんが開発している「Carkoon」というチャイルドシート。彼は以前、消防士からある死亡事故の話を聞かされた。その事故は炎上した車の中に赤ちゃんが取り残されてしまい、消防士が必死の救出活動をするも燃え盛る炎に阻まれ失敗。赤ちゃんを助けることができなかったという。

そんな不幸な話を知り、プレストン-パワーズさんは子どもの安全性をもっと高める、進化型のチャイルドシートの開発を決意。そして、本体のさまざまな機能により子どもから危険を遠ざける“究極のチャイルドシート”こと「Carkoon」を生み出した。この「Carkoon」は、万が一の際には「ケブラー」という、防弾チョッキにも使われる固い繊維素材で出来た蓋が作動。座っている子どもを包み込むようにして守り、瞬時に安全な状態で保護するのが特徴だ。

このシェルター機能により、衝突時に飛散したガラスや車内の小物などが飛んできた場合に、子どもが負傷する可能性が激減。さらにこの素材には耐火機能も備わっており、もし乗っていた車が炎上しても、包まれる炎から守ることができるほか、最高20分間にわたり空気を供給して健康状態を確保する配慮もなされている。ただし、危険な状態から一刻も早い救出が必要な点は変わりなく、この「Carkoon」にはそのための装置も搭載した。

それが、シェルター機能が発動した際に救急隊に発信される信号装置。これにより子どもが事故に巻き込まれたことを迅速に通報できるほか、GPSで事故の場所が正確に特定できるようになっている。

現在、クール・テクノロジーズ社は「Carkoon」の実用試験を繰り返し行っている段階で、早ければ来年、499ポンド(約6万4,000円)程度での販売を予定している。さまざまな機能がある分、普通のチャイルドシートに比べれば高額ではあるが、大事な命を守る可能性が高まると考えれば、これでも安いと思える親は少なくないかもしれない。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.