おデブ犬用のエスカレーター、家庭の階段上り下りもこれでラクラク?

2012/04/08 12:25 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


今や心の拠り所として、飼い主から本当の家族のように世話をされるケースも多くなった犬・猫といったペットたち。動物を大切に育てるのは決して悪いことではないが、その愛情が甘やかしに繋がっている飼い主も少なくないようで、英国では現在飼育されている犬の3分の1は“太り過ぎ”だという。この状況に、ペット向けの保険も扱っているある英保険会社は、今後のニーズを見越して、家庭内で使う“世界初の犬用エスカレーター”の開発に着手しているそうだ。

英紙デイリー・メールやサンなどによると、このエスカレーターの開発を進めているのは、英国のMore Than保険会社。同社は以前、同国内で飼われている犬と猫に関する調査を行い、人間と同じように肥満化の傾向が進んでいる実態を明らかにした。英国では現在「犬830万頭、猫1,192万匹」が飼育されていると見られ、このうち「犬の35%と猫の37%」が太り過ぎの体になっているという。

その傾向は今後も続くとされ、同社では10年後の2022年に「52%の犬が極度の肥満」(More Than保険会社公式サイトより)になると推測。こうなると、健康状態の悪化だけでなく、今まで容易にできた運動がこなせなくなるペットが増え、結果、生活の上で必要な家の階段の上り下りができない犬が問題になる可能性もある。そこで同社は、推測に基づく需要増加の観点から、家庭内で利用する“世界初の犬用エスカレーター”の開発に着手した。

「Stair Of The Dog 2022」と名付けられたこのエスカレーター。現在6か月にわたって研究を進めており、先頃その試作機の写真も公開された。「Stair Of The Dog 2022」は、犬が好きなときに使える設計が特徴で、乗降口の床面近くに足のマークが描かれた大きなボタンを設置。これを押すとボタン横にあるプラットフォームが上がり、ペットが乗り込む“かご”の高さまで楽に上がれるよう補助するという。そして“かご”に乗り込んだら、ペットはじっとしているだけで階段を上り下りできる仕組みだ。

賢い犬なら、あっという間に使い方を覚えそうなエスカレーターではあるが、これができたらますます運動不足になりそうなペットが増える気も。同社では、このエスカレーターの開発は今後の需要を見越しただけでなく、現在の「飼い主に対する警告」の意味も含めていると説明している。「このエスカレーターが使われるのを、現実では見たくない」としながらも、現状のまま進めば必ず必要になるという見方から、後々のために開発しているそうだ。

あれば便利だが、一般化するのは決して喜ばしくない犬用エスカレーター。これを利用する状況を生むか生まないかは、飼い主たちの気持ちにかかっている。同社サイトでは、「上質のえさを毎日計量して、適切な分だけ与えること」「散歩に多くの時間を割くこと」「太り始めたら、すぐにかかりつけの獣医に相談すること」など、ペットの肥満化を防ぐ方法も紹介。共に幸せな毎日を送るため、そしてこのような機材に頼らなくて済むためにも、飼い主は日頃からしっかりペットの健康を大いに気遣って欲しいところだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.