双子の姉妹がそろって性転換、幼少の頃から同じ悩みを抱え続ける。

2012/03/30 14:55 Written by Narinari.com編集部

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性別が同じで見た目もそっくりな一卵性の双子。生まれ育った環境などによっては、性格や趣味まで“うり二つ”になり、それこそ他人では見分けがつかないこともあるようだが、このたび、そんな双子の姉妹がそろって性転換手術をするという出来事が中国で報じられた。2人は幼い頃から互いに男性になることを夢見てきたそうで、最近、やっとその願いを叶えられたという。

中国紙青年報によると、この双子は雲南省出身の姉・姚文さんと妹・姚華さん(ともに仮名)。農村で生まれ育った2人は、似た顔立ちや性格、趣味を持つだけでなく、幼稚園から短大まで同じ学校に通うなど、その人生は何もかもが“そっくり”だった。

そんな2人には、幼い頃から誰にも話せずにいた大きな悩みがあった。それが自分たちは“女の子”なのに、“女の子ではない”という感覚。同年代の女の子の遊びには興味がなく、男の子たちが好きな遊びに熱中してきたほか、長い髪を極端に嫌っていたという。そうした悩みは文さんと華さんを常に苦しめてきたが、幼稚園の頃にはお互いが同じ悩みを抱えていることを知ったそうだ。

成長していくに従い、行動や話し方、格好などが男性化していく2人に、周囲からは厳しい視線が注がれる。やがて2人の心は傷ついていくが、それでも何とか耐え続けていく中で、いつしか陰口や差別をはねのける強い決意のようなものが芽生えることに。そして、「誰が何と言おうと、私たちは気にしないようにしよう」と心に誓うようになった。

その後、決意は次第に「本当の男性になる」方向へと2人の気持ちを向かわせる。上海で性転換手術が受けられることをネットで知り、病院に連絡。性転換には計3回の手術と、10万元(約120万円)以上のお金が必要と案内されるが、貧しい農村で生まれ育ち、短大卒業からまだ1年半、20代前半の2人は稼ぎも少なく、貯金を合わせても到底手の届くような金額ではなかった。

それでも2人は“夢”を諦めきれず、思い悩んだ末に家族へ事情を告白。なかなか結婚しない娘たちの身の上を案じていたという両親にとって、2人の告白は大変な驚きだったであろうことは想像に難くないが、彼女たちの強い意志に最後は根負け。両親は2人にお金を貸すことを承諾する。これにより、性転換手術への最大の障壁が取り払われ、大きな一歩を踏み出すことになった。

最初に手術を受けたのは妹の華さんで、1回目、2回目の手術を受けている間にも、姉の文さんは引き続き手術費用を稼ぐために奔走。現在は華さんが2回目の手術を終え、文さんが1回目の手術を受けたばかりの状況だ。ちなみに、「性転換で失ったもの、得たものは?」とのメディアの質問に、2人はまだ明確な答えを出せなかったようだが、華さんは「職場で告白したら、やはり同僚たちは変なことを言うかもしれません。でも、今の私たちにとって大切なのは、後のことを考えるよりも、今、最後の手術費用をなんとか捻出することなのです」とコメントしている。

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