世界に出没“裸にチュチュ”男、怪しさ全開の活動に取り組む理由とは。

2012/03/21 18:15 Written by Narinari.com編集部

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米国のある男性カメラマンが9年前から始めたプロジェクトが、いま、米国で注目を集めている。それは中年体型の彼が、女性バレエダンサーが着用するチュチュスカートを身に付けた格好となり、さまざまな場所で写真を撮影するというもの。実はこのプロジェクト、ある目的を持って行っているそうだ。

「チュチュプロジェクト」なる撮影活動を行っているのは、ニューヨークに拠点を置くカメラマンのボブ・キャリーさん。公式サイトの説明によると、活動を始めたのは9年前の2003年からで、この年に彼は妻リンダさんを連れて拠点をアリゾナ州からニューヨークへ移した。そのとき新たな作品制作に取り掛かった彼は、自分を被写体にすることに決め、自分を一番引き立たせてくれる物としてチュチュにたどり着いたそうだ。

こうして始まった、ボブさんの「チュチュプロジェクト」。当初は純粋な芸術活動として始めたものだったが、その後別の目的が加わり、本格的に力を注ぐようになる。きっかけとなったのは、活動開始から半年後に発覚した妻リンダさんの乳がん。2006年に再発したものの、治療は現在も続けられ、幸い彼女の体調は良好だという。

そんな彼女の闘病生活を間近で見守り続けてきたボブさん。彼は、がんに真っ向から立ち向かう妻の力に「畏敬の念」(公式サイトより)を抱き、同時に「人生の素晴らしさ」を学んだ。そこでボブさんは、今後夫婦2人だけでなく、世の中で乳がんと闘っている女性や家族たちとも「一緒に笑い合おう」との意味も込めて、自分のユーモラスな姿を写す「チュチュプロジェクト」を本格的に行うようになった。

これまでに、「イタリアからタイムズスクエアまで」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)世界各地で撮影を行ってきたが、お気に入りの場所を見つけると裸にチュチュという、端から見れば“変態の中年男性”と化すだけに、人が集まるような場所ではなかなか苦労も多いそうだ。デラウェア州のフェリーで撮影した際は、彼の姿に多くの乗客たちが騒いだため、撮影後は乗員にマークされる事態に。またニュージャージー州アトランティックシティーの撮影では6台のパトカーが撮影場所にやって来て、尋問を受けるハメになったという。

このように、行く先々で少なからず物議を醸している彼に対し、リンダさんは「(夫は)ほかの男性たちと違うの」ときっぱり。さらに「彼は自分の弱点を晒すことを恐れない」とも語り、数々の写真は「楽しみを与えてくれた」と感謝しているようだ。

そしていま、ボブさんはこれらの作品を販売することで、乳がん患者支援団体への寄付を計画。7万5,000ドル(約630万円)を目標に、今秋にはプロジェクトの写真集出版を予定しているほか、サイト上では写真やTシャツなどの販売を始め、広くこのプロジェクトに対する理解を呼び掛けている。

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