秘密を“共有”する米人気サイト、開設9年で50万以上の告白が届く。

2012/03/12 10:30 Written by Narinari.com編集部

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秘密とは、言うまでもなく心の中にしまっておくべき内緒の話。しかし話してはいけないとの制約があると、なぜか誰かに話したくなってしまうのが多くの人の心理だ。米国には、そんな人々の秘密を受け付け、面白い話をピックアップしてサイトで紹介している男性がいる。いわば秘密を抱える人にとって“心の避難所”ともいうべきこのサイトは、2003年の開設から現在までに、累計5億アクセスを超える人気となっているそうだ。

米テネシー大学のニュースサイト「テネシー・ジャーナリスト」によると、このサイトを運営しているのはフランク・ウォーレンさんという男性。彼が毎週日曜日に更新している「ポスト・シークレット」は、これまでに米大手メディアでも幾度となく取り上げられ、タイム誌による「世界の最も素晴らしいウェブサイト50」(米紙USAトゥデーより)の1つに選ばれたこともある米国の有名サイトのひとつだ。

ウォーレンさんがこのサイトを立ち上げたのは、2003年のはじめのこと。具体的な説明はあまりしたがらないそうだが、当時「人生で難しい期間」を経験したことをきっかけに、彼は他人の秘密を受け付ける“芸術プロジェクト”を思い付いたという。そこで彼は地下鉄の駅に足を運び、「ずっと隠している秘密を共有しませんか」と、通行人に葉書を配り歩き、自分のもとに葉書を送るように頼む活動を始めた。

するとそれから間もなくして、彼の家には数百通もの手紙が届いたそう。思わぬ反響にも当初は「すぐに冷めるだろう」とウォーレンさんは冷静だったが、この予想は外れ、数週間が経過しても「国中から秘密が届き続ける」事態となった。そこで彼は「ポスト・シークレット」を開設し、さまざまな“他人の秘密”をネットで公開。現在は手紙のほかにメールでも受け付けており、その数は「1日におよそ200通」(テネシー・ジャーナリストより)、これまでの合計は50万以上にも及んでいるという。

手紙は匿名で受け付けるほか、ウォーレンさんが責任を持って管理・公開しているので、その秘密が誰のものか分かるのは恐らく本人のみ。秘密の内容は、その人の人生に深く刻まれていたであろう重いものから、コンプレックスや恥ずかしい出来事をさらすコミカルなものまで実に多種多様で、世の中には本当にいろいろな人がいると、改めて感じることができる。

サイトに寄せられる手紙の中には、趣向を凝らした葉書を送って来る人も多く、これが“芸術作品”としても認識されているようで、これまでに作品を集めた本も出版されているほか、米大学やイベント会場で展覧会が開かれる機会も多いという。

人気サイトの運営者として、現在は講演にも引っ張りだこというウォーレンさん。そんな彼がこのサイトを始めたおかげで、心が救われたと思っている人も大勢いるに違いない。

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