1994年に読売新聞日曜版で連載がスタートしてから、17年10か月にわたって連載されてきた漫画「あたしンち」が、次回3月11日の日曜版をもって終了することがわかった。4日付けの紙面で発表されたもので、これに伴い、作者のけらえいこがTwitterが連載終了の経緯を説明している。

けらは3月4日、Twitterで「読売新聞で17年10か月続いた連載『あたしンち』ですが、今月で終了します」とファンに報告。そして「スタート時『あたし』というのはみかんのことでしたが、いつのまにか母視点で描くようになり、ついには父の年齢を越えてしまったあたりで、ちょっと行く先を見失ってしまいました。昨年の震災のショックも大きかったです」と、執筆の中で抱えていた苦悩を告白した。

そうした中で「体力的に週刊連載がきつくなった」こともあり、今春、紙面がリニューアルされるタイミングで降板が決定したという。すでに最終回の原稿は描き上げているそうで、「最終回は、おととい入れたばかりだけど、もうエッセイ描きたい…。エッセイは久しぶりだな…」と、早くも次の作品への意欲をのぞかせ、フォロワーとのやり取りの中では「今、すごい解放感ですｗ」「命とともに漫画も年を取るんです。次はぜんぜん違うことしたいですねー！」ともつづっている。

「あたしンち」は迫力満点のユニークな母、九州男児でマイペースな父、夢見がちな女子高生みかん、無口で冷静なユズヒコの「タチバナ家」に起きる日常的な出来事を描いた作品。2002年にはテレビ朝日系でアニメ化、2003年と2010年には映画化もされている。コミックスは2010年に累計1,000万部を突破した。


☆「あたしンちWEB」でも連載終了を報告

コミックスの出版元であるメディアファクトリーが運営する「あたしンちWEB」でも、編集部ブログの中で連載終了を報告。「毎週日曜日を楽しみにしてくださっていた皆さま、長い間ありがとうございました」と感謝の言葉をつづっている。なお、18日と25日の読売新聞日曜版にはけらのインタビューが掲載される予定だ。