空から“糞便の氷”落下相次ぐ、ドイツでの外出時は上にも注意?

2012/03/04 12:36 Written by Narinari.com編集部

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家の外を歩いているとき、たいていはほかの人や車が来ないか前後左右を注意するくらいで、なかなか上には気が行かない。“降る”といえば雨や雪といったところだが、まれに動物や物体など、想像もしなかった“何か”が降って来る話もあるから、世の中分からないものだ。ドイツでは1月から、飛行機の落とし物と思われる排泄物の塊が家を直撃するトラブルが4件立て続けに発生した。これまでにも飛行機から糞便が氷となって落下するケースは世界各国から多数報告されているが、今回は短期間に狭い範囲で落下が相次いでいることに、市民も航空当局も困惑しているという。

独紙ザ・ローカルやビルドなどによると、この一件は、ドイツ南部のバイエルン州とバーデン=ヴュルテンベルク州、東部のザクセン州でのこと。幸い、いずれも住宅の庭や屋根に落下したため、けが人の報告はないというが、バイエルン州に落下した塊は「重さ2キロ」に達するなど、いずれも人に直撃したら危険と思われる大きさだった。

最初にこの落下被害に遭ったのは、1月にバーデン=ヴュルテンベルク州フェルバッハの住宅で、このときは手のひらサイズの塊が「屋根のレンガを破壊」。さらに2月初旬には、同州ニーフェルンに重さ1.5キロの「尿の塊」が住宅の庭に落下した。そして2月中旬、今度はザクセン州ローダーズドルフで暮らす81歳の男性宅の屋根に、「20センチほどの凍ったボール」が落ち、音に気付いた男性が庭で見つけたボールに近付くと、それは「ものすごい異臭を放っていた」という。

最後はそれから1週間後、バイエルン州ニュルンベルグに住む女性宅に落下した2キロの氷。そのとき女性はリビングで寛いでいたが、突然の「大きな爆発音」を聞いたそうで、当初「屋根が凹んだのかと思った」ほどの音は、庭に氷が落ちたときのものだったという。その衝撃は相当だったようで、彼女は「本当に家の中にいて良かった」と安堵したそうだ。

これらのケースについて、ニュルンベルク空港の関係者は、やはり「飛行機のトイレから漏れた水が氷となって落ちた可能性がある」(ビルド紙より)と推測。飛行機の貯水タンクから漏れた水が凍り、下に落ちるケースは古今東西報告されているが、大きな氷の塊となって短期間に限られた範囲内へ落下するケースが続出するのは「珍しい」(英紙デイリー・メールより)ともされている。

しかし、ドイツ国内だけでなぜこうしたトラブルが続出しているのか、「説明をするまでには至らなかった」と航空当局も困惑。それは、被害に遭うかもしれない市民にとっても同じで、中には「天から落ちてくる“いらないギフト”を受け取っている」と、不安を募らせている人もいる。特に家の上空で飛行機を見かけるドイツ市民にとっては、原因が特定されるまでは、外出時には空にも注意せざるを得ないのかもしれない。

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