旅行先などで写真を撮る時、どうしても周りの通行人を気にしてしまうもの。大事な思い出の一枚となるだけに、自分が通行人の立場でも撮影しようとしている人を見かけると、つい気遣ってしまうはずだ。しかし近い将来、お互いにそんな気遣いをしなくて済むようになるかもしれない。このほど、撮影した写真から取り除きたい人をタッチ操作で簡単に消去できるアプリがスウェーデンで開発された。
米ニュースサイトのハフィントンポストによると、このアプリは、モバイルイメージング技術開発で知られるスウェーデンのScaladoが発表した「Remove」。現在はまだ試作段階だが、2月27日からスペイン・バルセロナで開かれるモバイル技術のイベント「Mobile World Conference」への出展に先駆け、同社が2月14日に製品発表を行った。
同時に、同社はYouTube上に2月13日付で「Scalado Remove - Capture a clear view」(//www.youtube.com/watch?v=flNomXIIWr4)という動画を公開。実際にRemoveを操作している様子を紹介しており、その使い方はいたって簡単だ。写真を撮影して、そのデータに邪魔な人が映っていたらその人をタッチするだけ。すると、一瞬で通行人を写真上から消してしまうのだ。
Removeの仕組みは、撮影時に連写して予め複数のデータを取り込み、移動する対象を認識して編集を可能にしている。この技術は、同社が昨年発表した「Rewind」を応用したもので、こちらは写真撮影時に連写を行うと、カメラに入った人の顔部分を認識。連写した中から、それぞれの人について一番良いタイミングで捉えた表情が選べ、1枚の写真にできるアプリだ。
同社はこのアプリを個人向けではなくモバイル端末製造メーカーに販売するそうで、今のところ「モトローラやソニー・エリクソン、HTC」はライセンス契約を結ぶ見込みとされている。ちなみに、現段階でこのアプリはAndroid搭載端末向けに開発されており、アップル社製のiOSで利用できる見込みについては、Scalado側は「コメントしなかった」(ハフィントンポストより)そうで、まだ不明とされている。