中国実写「西遊記」にフリーザ? 新TV版の孫悟空が「似てる」の声。

2012/02/11 13:12 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


中国のテレビ局で昨年8月から、著名プロデユーサーの張紀中氏が手がけたテレビドラマ「新西遊記」の放送が始まった。この作品、これまでにない発想やCGをふんだんに使った映像、そして従来の「西遊記」以上の迫力ある戦闘シーンが話題を呼んでいるのだが、一部のネットユーザーからは孫悟空が「ドラゴンボール」に登場するキャラクター“フリーザ”に似ているとの指摘が出ている。そうした声の主たちは「今の中国の映画やテレビ制作のスタッフは、日本のマンガやアニメに多大な影響を受けているためではないか」と見ているようだ。

「孫悟空はフリーザ」との指摘を受けたのは、同作品の第1話の冒頭、岩から孫悟空が誕生するシーン。誕生した孫悟空の体は真っ白で毛が無く、ツルンとしているという、原作のイメージとは全く異なる描かれ方で、一部のネットユーザーからは「猿なのに毛が全く生えてないのはおかしい」「孫悟空の体は陶器でできているのか?」といった疑問の声が上がった。その流れから日本のマンガ・アニメの「ドラゴンボール」に登場するフリーザの最終形態を連想するとの声が上がり、掲示板サイトや微博(中国版ツイッター)などでは、実際に孫悟空の体の一部を着色し、本物のフリーザの画像と並べての比較・検証も進められた。

こうした指摘は放送開始直後からチラホラと見られていたが、広い中国では地域の放送局によって放送のタイミングが異なることや、ネットにアップロードされた動画で視聴する人も多いことなどから、放送開始から約半年が経った今も指摘が続いているようだ。

実際に「新西遊記」第1話の映像を見てみると、確かに誕生シーンの孫悟空がフリーザに似ていると言われれば、似ていないとも言い切れない。しかし、それはあくまでも孫悟空をフリーザ風に着色した場合のこと。ドラマ内の全身真っ白な状態では、「フリーザと同じ」と言うには少々無理がある。にも関わらず、こうして中国のネットユーザーが過剰反応するのは、「西遊記」という中国人なら誰でも知っている古典作品であること、また、同じ「西遊記」をモチーフにした「ドラゴンボール」の登場キャラクターであることなどが関係しているようだ。

中国では「西遊記」「三国志演義」「水滸伝」などの人気古典作品は、これまでにもプロデューサーや俳優が異なる形で幾度も映像化されている。しかし、新たに制作されるたびに、その演出や設定に疑問や批判が噴出している事情があり、今回の指摘も、言ってしまえばそうした恒例行事のひとつなのかもしれない。

ちなみにプロデューサーの張紀中氏は、2006年の「新西遊記」制作発表の席で「古典を新しな解釈で作り直したい。話のテンポや映像技術面などを過去の作品とは一新した内容にしたい。そのためには批判を恐れない」と語っている。さすがに今回のフリーザ云々は想定していなかったとしても、視聴者からさまざまな疑問や批判が寄せられることは織り込み済みで制作に当たっているようだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.