エレベーターと壁の間に3日間、中国のお正月休暇で助けを呼べず。

2012/02/02 11:40 Written by Narinari.com編集部

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中国で先日、酔った男性がエレベーターと壁の間に3日間も閉じ込められる事故が発生した。男性は泥酔状態でこの悲劇に遭遇し、救出時にはどのような経緯で事態を招いたのか、それさえもよく覚えていなかったという。

中国紙武漢晩報などによると、この事故が発生したのは1月21日深夜、湖北省武漢市でのこと。52歳の劉さんが親族との食事を終えて家に帰ろうとした際、泥酔状態だった彼はたまたま通りがかったバスターミナルビルに侵入してしまった。このとき、劉さんは自分が何をしているのかもはっきりと認識できていない状態。後に監視カメラの映像で判明したことだが、彼はエレベーターの乗降を繰り返し、実に3時間以上もビルの中を彷徨っていた。

そしてビル侵入から3時間以上が経過した深夜1時過ぎ。劉さんは1階から5階へ上がろうと“5階”のボタンを押し、さらに続けて“5階”のボタンを押した。日本のエレベーターの場合、同じ階のボタンを2度押すとキャンセルになるものもあるが、彼が乗ったエレベーターは同じ階を2度押すと自動停止する設計で、指示通りにエレベーターは上昇後2階付近で停止してしまう。

停止後、劉さんはエレベーターの外に出ようと試み、扉は何とか開いたのだが、実はこのビルは2階にエレベーター乗り場自体が設けられておらず、普段は通過する構造になっていた。そのため、開いた扉の前には狭いスペースと壁があるのみで、脱出するには壁を破壊するしかない。そうこうしているうちに、背後のエレベーターの扉が閉まってしまい、結果として劉さんはエレベーターと壁の間のわずかな空間に閉じ込められてしまった。

正月を祝うこの時期、中国ではほとんどの会社やお店がお休み。ビルに入居する会社も休暇中で、劉さんの存在に気付く人は現れることなく、結局、休み明けの24日午後、出勤してきた会社員が壁越しに劉さんの「助けて」という声を聞くまで、ただただ助けを待つしかなかったという。

幸いにも救出時、劉さんの身体にはこれといったケガや体調不良もなかった。専門家は、エレベーターに閉じ込められる前に大量のお酒や食べ物を摂取していたこと、狭い場所に閉じ込められていたために無駄に体力を消耗しなかったことなどが、良い方向に事態を導いたと分析している。

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